発作性頻拍症

ほっさせいひんぱくしょう

最終編集日:2022/1/11

概要

突然、脈が速くなり、しばらくつづいた後突然停止して洞調律に戻る不整脈です。原因となる異常電気興奮が、心房あるいは房室接合部で起こる上室性頻拍症と、心室で起こる心室性頻拍症の2つがあります。上室性頻拍症は、命にかかわることはほとんどありませんが、心室性頻拍症は、心臓病をもっていると発症しやすく、心筋梗塞などの重い病気が原因で起こった場合は電気ショック(電気的除細動)などの迅速な対応が必要となることもあります。

原因

心臓内の電気興奮が一定の場所を持続的に旋回(リエントリー)することで起こります。原因となる電気の旋回路が心房あるいは房室接合部にあるものを上室性頻拍症、心室にあるものを心室性頻拍症と呼びます。発作性上室性頻拍症は、頻拍回路が先天的にあるWPW症候群と、後天的に回路が形成される房室結節リエントリー性頻拍、心房内リエントリー性頻拍があります。心室性頻拍症は、心疾患が原因で電気回路が形成されることがあり、心筋梗塞などの重い心臓病がある場合には、心室細動へと移行して突然死する可能性があります。

症状

・上室性頻拍症

規則正しく速い脈(1分間に140~220の頻脈)が突然起こり、動悸息切れ、トイレが近くなる、尿の量が多くなる、めまい、たちくらみ、ふらつきが起こります。発作そのものがすぐ命にかかわることはありませんが、長時間持続すると心不全を生じます。


・心室性頻拍症

自覚症状がない場合もありますが、不整脈による動悸や息切れ、めまい、ふらつき、失神を起こすこともあります。

心筋梗塞などの重い病気が原因で起こるときは、心室細動に移行する可能性が高く、その場合は電気ショック(電気的除細動)といった迅速な対処が必須です。

検査・診断

・上室性頻脈症

心電図、24時間ホルター心電図、電極カテーテルを使用した心臓電気生理検査が必要です。

・心室性頻脈症

心電図、24時間ホルター心電図、心臓超音波検査、電極カテーテルを使用した心臓電気生理検査などが必要です。

治療

・上室性頻拍症

発作性上室性頻拍症と診断がついたら、カテーテルアブレーションによる根治が第一選択治療法になります。頻拍を止めるために自分でできる対処としては、息をできるだけ長く止める、冷たい水を顔にかける、できるだけ頭を後ろにそらせるなどがあります。頻拍が治まらないときは、医師の治療が必要です。頻拍を停止させるには、抗不整脈薬(ワソラン、ATP、ナトリウムチャネル遮断薬など)の静脈注射や、電気ショックを行い、頻拍の予防はカテーテルアブレーションで行います。


・心室性頻拍症

頻拍の回数が少なく、血圧が下がるなどの悪影響がみられない場合でも、頻拍を停止させることが必要です。抗不整脈薬あるいは電気ショックによる停止が必要です。状況に応じて、カテーテルアブレーション(心臓に細い管を入れて、心筋の一部に高周波電流を流し、頻拍の原因となっている部分を焼く治療法)や植込み型除細動器(不整脈を止め、心臓の働きを助ける機器)を検討する場合もあります。

セルフケア

予防

・ストレスが高まると発作が起こる、あるいは体位によって発作が起こるなど、動悸発作が起こるきっかけ、原因がわかっている場合は、可能であればそれを避けるようにしましょう。


・予防薬もありますので、発作が頻繁にある場合は主治医に相談しましょう。年に1回の発作のために予防薬を服用するのは現実的ではありません。カテーテルアブレーションを考慮することをおすすめします。


・定期健診は、欠かさずに受けましょう。

監修

小田原循環器病院 循環器内科 院長

杉薫

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