ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群(WPW症候群)
うぉるふ・ぱーきんそん・ほわいとしょうこうぐん

最終編集日:2022/1/11

概要

ウォルフ・パーキンソン・ホワイト(WPW)症候群は、健診の心電図で特徴的な所見を認め、指摘されることが多い疾患です。突然、脈拍が速くなる頻脈発作で気づき、調べるとWPW症候群という場合もあると思います。本来心臓の電気の流れは心房と心室の間を刺激伝導系といわれる一本の電線のみで流れ、ほかは絶縁されています。このWPW症候群の場合は この一本の電線以外に心房と心室の間に副伝導路(ケント束)といわれる別の電線があります。ふだんは無症状でふつうの生活ができるのですが、たまにこの副伝導路を伝い電気が流れ、本来の電線と回路ができてしまうと心拍数が150回以上にもなる頻脈発作を生じることがあります。副伝導路をもつ人は1000人に数人の確率で、生まれつきといわれています。

病名は、ルイス・ウォルフ、ジョン・パーキンソン、ポール・ダトリー・ホワイトという3人の研究者の名前に由来します。

原因

副伝導路は生まれつきあるといわれています。ただ成長の過程や自律神経、薬、ストレスなどの影響で、副伝導路の電気の通りやすさが異なるので、成人になってからみつかることはあります。

症状

突然脈が速くなり、動悸胸痛、息苦しさ、吐き気、めまい、ふらつきなどが現れます。呼吸困難になったり、意識が薄れたりすることもあります。

重篤になるケースは少ないといわれていますが、心房細動と呼ばれる不整脈を合併した場合は脈が非常に速くなり、重症化する可能性があるので注意が必要です。副伝導路があっても、頻脈が起こらずに、無症状のまま一生経過することもあります。

検査・診断

WPW症候群の検査・診断では、標準12誘導心電図、ホルター心電図、イベント心電図などの心電図検査や、心臓超音波検査、カテーテル検査などが行われます。

治療

検査の結果、副伝導路が見つかったとしても、無症状の場合には治療をしないで経過をみることが多いとされています。

頻拍が起きている場合は治療が必要です。対症療法として、迷走神経を刺激して心拍数の上昇を抑える迷走神経刺激法(バルサルバ手技)があります。あごの頸動脈やまぶたの上から目をマッサージする(強く刺激しすぎると目を傷める可能性がありあまりおすすめはしません)、息をこらえる、冷たい水を飲んだり、冷たい水で顔を洗ったりするなどで効果が現れる場合があります。さらに、薬による治療や電気ショックによる治療が行われることもあります。発作を予防する薬もあります。

侵襲的な治療で、WPW症候群の原因である副伝導路を高周波電流で焼き切るカテーテル心筋焼灼術(高周波カテーテルアブレーション)という方法もあります。これは副伝導路をなくす根治療法であり、ほとんどのケースで以後は薬なしで発作が起きなくなります。

セルフケア

予防

WPW症候群は、見過ごして悪化すると心房細動という別の不整脈を合併し、命にかかわることもあります。頻脈発作が現れた場合は早めに受診しましょう。

監修

神奈川県立循環器呼吸器病センター 循環器内科部長

福井和樹

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