足底筋膜炎そくていきんまくえん
最終編集日:2022/5/17
概要
足底筋膜は、かかとから足の指5本それぞれの付け根まで扇状に広がる薄い腱膜で、足にかかる衝撃をバネのように吸収する役割をしています。足底筋膜症は、この足底筋膜に過度な衝撃がくり返し加わり、炎症を起こしている状態です。足底筋膜の中央部分は硬い線維からなる腱膜で、筋膜炎の病変はその部分、とくにかかとの骨の前辺りに多くみられることから「足底腱膜炎」とも呼ばれます。中高年に多くみられ、マラソンなどのスポーツを習慣的に行っている人も発症しやすい病気です。
原因
長時間の歩行や立ち仕事、スポーツなどで、足底に過剰な負荷や刺激をくり返すことが原因として挙げられます。また、加齢による筋力の低下や、足底筋膜の柔軟性が低下して硬くなることも原因のひとつです。それ以外では、扁平足や、足のサイズに合わない靴をはきつづけることなども発症リスクを高めると考えられています。
症状
おもに足底腱膜と骨の付着部や、踵骨内部で炎症が起き、さらに周囲の軟部組織まで腫脹が広がり、足底からかかと周辺に痛みが生じます。朝起きたときや座っていた後など、しばらく動かさない状態から足底に体重をかけたときに症状が現れやすく、歩いたり足裏を押したりすると痛みや突っ張り感があります。放っておくと、少しずつ痛みが増していく場合もあるので注意が必要です。
検査・診断
問診や触診によって、痛む場所や荷重位での足の変形などを調べます。さらにX線検査なども行い、扁平足の有無や、かかとの骨の足底腱膜付着部に異常がないかを調べます。ときどき足底腱膜付着部に、余分なとがった骨が増殖する踵骨棘(しょうこつきょく)がみられます。踵骨棘は足底腱膜付着部へ負担がかかった証拠ですが、必ずしも痛みの原因とはいえず、治療対象にはなることはほとんどありません。
治療
スポーツなど、痛む部分に負担がかかることは極力避け、足裏のマッサージやストレッチなどを行います。テーピングや足底板(靴の中敷き)の装着、湿布や消炎鎮痛薬の処方、ステロイドの局所注射を行う場合もあります。症状によっては、足底腱膜の障害部分を切除する内視鏡手術が検討されます。
セルフケア
予防
ふだんからストレッチなどを行い、足の筋力や柔軟性を高めるようにするとよいでしょう。足のサイズに合った靴を選ぶことも大事です。クッション性の高い靴にしたり、靴の中敷きを使用したりして、足裏を保護することもおすすめです。
監修
東馬込しば整形外科 院長
柴 伸昌
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