テニス肘てにすひじ
最終編集日:2022/5/16
概要
テニス肘はひじの外側に起こる痛みのことで、正式には上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)という病名です。テニス選手やテニス愛好家に生じやすいため、テニス肘と呼ばれるようになりましたが、実際はテニスをしない人でも、ひじの外側に痛みが出る症状は比較的よくみられます。料理やパソコンの利用などが原因で発症する人も多くみられます。
原因
一般的には、年齢とともに劣化してきたひじの外側の筋肉を使いすぎた結果、ひじの腱が傷むことで起こります。病態や原因は十分にはわかっていませんが、物を持ち上げたり、手をひねったりしたときに生じます。おもに、短橈側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん)という手首を反らす(指を伸ばすのと同じ方向)働きをする筋肉がひじの外側で障害されて生じると考えられています。
テニス以外でも、バドミントンや卓球、ゴルフや剣道など、短橈側手根伸筋を酷使するほかの競技でも多く発生します。また、家事やパソコンのキーボード操作で指を伸ばす動きをくり返す人にも生じやすい症状です。
症状
物を持ち上げる、タオルを絞る、パソコンのキーボード入力を行う際などに、ひじの外側から手首にかけて痛みが走ります。通常は、手首を動かしているときにだけ症状が現れます。症状が悪化すると、ちょっとした手の動作で痛みが生じて、生活に支障をきたすことがあります。
検査・診断
医師がひじに負荷をかけるように動かして、うでの状態を確認します。例えば、手のひらを下にしてひじを伸ばし手首を反らせた状態で、手首を反対側に押して痛みがあるかをみるトムセンテストのほか、椅子を持ち上げて行うチェアテスト、中指に抵抗を加える中指伸展テストなどがあります。X線検査や超音波(エコー)検査、MRI検査などを行う場合もあります。
治療
痛みが緩和されるまでは手首周辺を動かないようにし、その後、手首や指、肩関節周辺のストレッチを行います。手首や指に専用のベルトを着けることも有効で、痛みが出やすい作業やスポーツの際に装着します。症状によっては、ステロイド入りの局所麻酔薬を注射して痛みを軽減させます。こうした治療を6カ月以上行っても改善がみられない場合は、手術を行うことがあります。手術は、ひじの外側を切開する方法と、内視鏡を用いる方法(肘関節鏡視下)から選択されます。
セルフケア
療養中
いちばん大切なことは、肩や手首や指のストレッチをこまめに行うことです。また、スポーツや手をよく使う作業を控えて、湿布や外用薬を使用しながらなるべく安静を保ちましょう。痛みが強い場合は、医師の判断でひじの外側に局所麻酔薬とステロイドの注射をします。テニス肘用のベルトの装着も有効なので、主治医に相談してください。
監修
東馬込しば整形外科 院長
柴 伸昌
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