膝半月板損傷ひざはんげつばんそんしょう
最終編集日:2022/4/11
概要
大腿骨と脛骨の間にある半月板に、ひびが入ったり欠けたりした状態を半月板損傷といいます。半月板は三日月の形をした軟骨組織で、内側半月板と外側半月板とが対になっており、ひざにかかる負荷を減らすクッションのような役割があります。半月板損傷は、どの年代の人でも発症することがあり、放っておくと変形性膝関節症をひきおこすこともあるので、適切な診断と治療が重要です。
原因
ひざに強い衝撃が加わったり、とっさに体重をかけてひねったりしたときに発症します。このため、おもにスポーツ時によくみられます。また、加齢に伴って半月板の機能が劣化していくので、中高年は強い衝撃が加わらなくても発症のリスクがあります。
症状
半月板を損傷すると痛みを感じ、ひざの曲げ伸ばしのときに引っかかりを感じたりします。ひどくなると、ひざ関節の中で炎症を起こし、水がたまって腫れたり、出血して血液がたまったりすることもあります。また、激しい痛みとともに、ひざの曲げ伸ばしができなくなるロッキングという状態になることもあります。損傷の状態によっては、放っておくとさらに関節軟骨を傷めたり、中高年であれば変形性膝関節症を併発したりする可能性もあるので、専門医による治療を受けることが大切です。
検査・診断
問診に加え、ひざの徒手検査(動かしたり、伸ばしたり、たたいたりして反応を見る検査)を行い、その結果に応じて、MRI検査を行います。MRI検査は、半月板と一緒に損傷しやすい骨、軟骨、靱帯の診断にも有効です。
治療
ひざを動かさないように安静にして、抗炎症剤や鎮痛剤の飲み薬や貼り薬を用います。痛みが落ち着いてきたら、損傷した半月板はそのままでリハビリテーションを行います。軽症であれば、こうした治療でよくなるケースが多いです。
一方、痛みや引っかかり感、ロッキングなどの症状がよくならない場合には手術を行います。内側半月坂の後方の断裂など、半月坂の損傷部位とその程度によっては早めの手術が必要な場合があります。
手術の方法としては、損傷箇所を切除するか、縫い合わせるかの2つがあります。手術は通常、ひざを小さく切開して、そこから内視鏡を関節部分に入れて行うので、からだへの負担は小さくて済みます。
セルフケア
予防
運動前の準備運動に加えストレッチや筋トレなど習慣づけましょう。
監修
東馬込しば整形外科 院長
柴 伸昌
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