肉離れにくばなれ
最終編集日:2022/5/16
概要
スポーツ中などに筋肉を瞬間的に伸縮させたことで、筋肉組織が部分的に傷ついたり切れたりしている状態です。太ももやふくらはぎ、脇腹の肉離れが多く、激しい痛みで発症した瞬間から損傷部分を動かせなくなることも少なくありません。肉離れは放っておくと、治るまでに時間がかかったり、再発の危険性が高まったりします。まずは安静にし、ぬらしたタオルなどで損傷部位のアイシング(冷やす)を行うなどして、速やかに整形外科を受診することが大切です。
原因
筋肉は、ダッシュなど急な動きをしようとする前にぎゅっと縮みます。そこから急に動き出すと、縮んでいる筋肉は無理やり引っ張られることになります。引っ張る筋肉の力に負けて、縮んでいる筋肉が切れたり傷ついたりしてしまうのが肉離れのメカニズムです。どのようなスポーツであっても、急なダッシュやジャンプのような動きを伴えば、肉離れを起こす可能性があります。
また、こむら返り(足がつること)によって肉離れを起こすことがあります。こむら返りの後、いつまでも痛みがつづくようなら、肉離れが起こっていると考えられます。
症状
肉離れの多くは、太ももとふくらはぎの筋肉に起きます。肉離れの瞬間に、ブチッとかバチッという音を自分で感じることがあります。直後から歩けなくなることも少なくありません。痛みの強さは肉離れの程度によって異なります。筋肉が完全に断裂しているような重症の場合は、安静にしていても痛みを感じることがあります。また、肉離れしたところに腫れやへこみ、青くなる症状(内出血を起こしている場合)がみられることもあります。
検査・診断
肉離れを起こしたときの様子の聞き取り、触診によって診断します。MRI検査で筋肉の損傷の程度や範囲を見たり、超音波(エコー)検査で出血があるかどうかを確認したりすることもあります。
治療
痛めた直後はできるだけ安静にすることが大切です。肉離れは程度によって、安静、湿布、塗り薬、飲み薬などの治療が必要になります。筋肉が完全に断裂している場合は手術が必要になることもあります。
スポーツを再開する場合は、肉離れしたところを押してもまったく痛くなくなる程度まできちんと休み、軽い運動からはじめましょう。少しよくなった状態でいきなり再開すると、肉離れが再発する危険性があります。
セルフケア
予防
運動不足や筋力の低下は肉離れを起こす一因となります。日頃から適度な運動を心がけて筋力をつけ、筋肉の柔軟性を高めておくとよいでしょう。運動前はしっかりとストレッチをして、肉離れを起こしやすい太ももやふくらはぎを中心に、腹筋も十分にほぐしておくことが大切です。
監修
東馬込しば整形外科 院長
柴 伸昌
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