膝靭帯損傷

ひざじんたいそんしょう

最終編集日:2022/4/11

概要

膝靭帯損傷は、大きな力や強い衝撃をひざに受け、ひざの靭帯が切れたり傷ついたりしている状態です。ひざの靭帯は、内側側副、外側側副、前十字、後十字の4つからなり、1つでも靭帯を損傷すると、膝関節は正常に機能できなくなってしまいます。4つのうちのどの靭帯を損傷するかは、外部から加わる力の向きや強さによって異なり、一度に複数の靭帯を損傷する場合もあります。

原因

おもにスポーツ中、交通事故、転落・転倒時などに発生します。

内側側副靭帯は、ラグビーや柔道、レスリングなど相手と接触するスポーツでよくみられ、ひざを内側に押す力が過剰に加わったときに起こります。前十字靭帯は、バスケットボールなどでの急な方向転換、バレーボールなどでのジャンプの着地など、体重がかかった状態で急に切り返したり動きを止めたりしたときに多く生じます。後十字靭帯は、いちばん強い靭帯ですが、中高年が転倒の際に強くひざをついて受傷することがよくみられます。外側側副靭帯は、単独で切れてしまうのはまれで、強い衝撃が原因でほかの靭帯とともに損傷を受けることが多い靭帯です。


症状

損傷して3週間くらいは痛みのため、あまり動かせません。しばらくして腫れ(関節内血腫)が目立ってくることもあります。その後、痛みや腫れはいずれもよくなりますが、ひざに不安定感が出てくることがあります。骨がずれるような感覚があったり、歩いている最中にひざが抜けたりするようなことも起こります。これらの症状をそのままにしておくと、半月板や軟骨を損傷したり、慢性的な痛みや腫れにつながったりすることもあります。靭帯が完全に切れてしまった場合はブチッ、ボキッなどの音がすることもあり、その場で激しい痛みを伴って歩けなくなることも多くあります。


検査・診断

痛めた状況を聞き、徒手テスト(動かしたり、伸ばしたり、たたいたりして反応を見る検査)でひざの状態を確認します。MRI検査では、くわしい靭帯の状態を見ることができ、靭帯と同時に傷つきやすい骨、軟骨、半月板などにも損傷がないか確認します。X線検査も大切で、この検査では靱帯は写りませんが、靭帯損傷に伴う裂離骨折を認めることや、靭帯損傷と同時に傷める骨の陥凹変化などがみられます。

また、関節動揺性検査機器を用いることもあります。これはひざの緩みを数値化するもので、よりくわしい診断ができます。


治療

靭帯ごとに治療方針は若干異なるものの、程度の軽い損傷であれば、ギプスやサポーター、テーピングでひざを支えて、一時的に安静にすることで治っていきます。ひざの拘縮を防ぐため、可動域訓練は早期から積極的に行います。

一方、断裂してしまうと自然に戻ることはなく、手術が必要になることが多いのが前十字靱帯です。手術の方法としては、ほかの部分(ハムストリングの腱や膝蓋腱など)の組織を取って靭帯を再建する手術が一般的です。関節鏡を使った手術(関節に小さな穴を2~3カ所開け、その穴に専用の内視鏡などを入れて手術をする)になる場合が多く、からだへの負担も少なくて済みます。そのほかの靭帯の場合、多数の靭帯損傷や、半月板などの損傷を伴っているときに手術が検討されます。

手術後は、早い段階からリハビリテーションを実施する必要があります。スポーツへの復帰をめざす場合は、3~6カ月程度のリハビリを行い、少しずつ復帰します。


セルフケア

予防

運動前には念入りにストレッチなどの準備運動をすることが大切です。



監修

東馬込しば整形外科 院長

柴 伸昌

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