肋骨骨折
ろっこつこっせつ

最終編集日:2022/5/16

概要

肋骨は、左右12本ずつの彎曲した骨からなり、心臓や肺、肝臓といった重要な臓器を取り囲むようにして守っています。あばら骨とも呼ばれます。胸を強打するなどして、肋骨の1本、あるいは複数本を骨折している状態が肋骨骨折で、ほとんどの場合、強い痛みを伴います。肋骨骨折は内側の内臓を損傷させ、深刻な事態になる危険性もあります。骨折が疑われる場合は、骨折箇所を極力動かさないようにしてすぐに受診しましょう。

原因

交通事故や高所からの転落、ぶつかり合うような激しいスポーツなどによって、胸部に強い力が加わったときに発症します。ゴルフや野球のスイングなど、同じ動作を何度も反復したときに骨折を起こす場合もあります。高齢者の場合は、加齢による骨密度や筋力の低下などによって、つまずいて転ぶ、せきやくしゃみをくり返すといったことで骨折するケースもみられます。

症状

骨折箇所に痛みがあり、そこを押すと痛みが増します。深呼吸やくしゃみ、せき、笑ったとき、肩を動かしたときにも痛みが強くなる傾向にあります。複数本の肋骨を骨折したなどの場合は、呼吸をするのがつらくなったり、骨折した肋骨が内側にある臓器や血管を傷つけて深刻な合併症をひきおこしたりします。

検査・診断

問診や触診で症状などを確認し、深呼吸をして強い痛みが出る場所があれば、肋骨骨折を疑います。骨折箇所はX線検査で確認しますが、肋骨の重なりなどでX線画像に写らない場所があるため、超音波(エコー)検査もあわせて行うことがあります。また必要に応じて、CTやMRIなどの検査を行い、肺の損傷の有無などについても調べます。

治療

痛みの程度にあわせて、消炎鎮痛薬の内服や湿布、胸部固定帯を用いた患部の固定などを行い、経過観察をします。多くは1カ月程度で症状が軽快します。肋骨の複数骨折や内臓損傷などにより、まれに手術が行われます。


セルフケア

予防

適度な運動で筋肉を鍛え、カルシウムの摂取など食事にも気を配って骨粗鬆症の予防を心がけましょう。高齢者は小さな衝撃で骨折しやすいため、段差をなくす、手すりをつけるなど、生活環境を見直して転倒を防止することも必要です。

監修

東馬込しば整形外科 院長

柴 伸昌

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