近視

きんし

最終編集日:2022/4/20

概要

近視とは、通常は目の網膜でピントが合うはずの光が、網膜よりも前でピントが合ってしまう状態をいいます。

多くは眼軸長と呼ばれる“目の奥行きの長さ”が伸びすぎることが原因で、ピントが合わなくなり、見えにくさが生じます。眼球の異常などによる場合を除いて、眼鏡やコンタクトレンズを使用して光の屈折を矯正することで、見えにくさは解消されます。

近視には、遺伝や眼軸長が長くなって起こる真正近視と、一時的に目のレンズである水晶体が厚くなって起こる仮性近視があります。


原因

近視の原因には、遺伝などの先天性のものと、生活環境の影響による後天性のものがあります。

先天性のものには、生まれつき眼軸長が長いものがあります。子どもの頃は毛様体筋(ピントを合わせる筋肉)の調節力が強いため、見えにくいところは目を細めるなどの調節をして見ている場合があります。幼少期から目を細める癖がある子どもは、先天性の近視の可能性があります。

年々遠くが見えなくなってきた場合は、後天的な生活環境の要因が大きくかかわっていると考えられます。とくにスマートフォンやタブレット端末などの要因は大きいといわれており、手元に近い状態で長い時間ピントを合わせることで、目の緊張状態を維持させ、環境に順応しようと眼球が長くなる傾向があるといわれています。また、パソコンを常時使用する職業も増え、室内で作業する時間が長くなっていることも、近視が増えた原因のひとつと考えられます。


症状

近視の場合は、近くのものは見ることができますが、遠くのものがぼやけて見えにくくなります。

また、近視に対して適切な矯正が行われないと、斜視、疲れ目、頭痛、肩こり、運転中やスポーツ時の疲労感といった症状が起こることがあります。眼鏡やコンタクトレンズを使用しているにもかかわらず、これらの症状があった場合は、眼科で目の検査を受けましょう。


検査・診断

近視の検査では、目の緊張状態をやわらげる薬を使って目の屈折度を調べ、真正近視か、一過性の仮性近視かを確認します。

視力検査は、おもにランドルト環と呼ばれるアルファベットのCのようなマークを使って行います。文字を使った検査と異なり、推測で答えられないため、より正確な視力測定を行うことができます。また、斜めにも開いている部分が設定できるため、乱視の矯正にも役立つメリットがあります。視力検査の結果、矯正が必要と考えられるのは片目で裸眼視力0.7未満となります。

また、実際の生活では両眼視(両目で見たときの視力)が重要です。両眼視では奥行や立体感を感知するため、左右の目で度数に差があると、機能が不完全となることがあるため、さらなる検査が必要となる場合があります。


治療

近視と診断された場合には、治療として眼鏡やコンタクトレンズを処方されることが一般的です。近視の傾向があっても、眼軸長が正常な場合には、毛様体筋の異常な緊張で近視の症状が出ている場合があります。このような場合には毛様体筋の緊張をほぐす目薬での治療も検討されます。

また、就寝時に装着する特殊なコンタクトレンズや近視の進行抑制のサプリメントのほか、強度の近視の場合、手術療法として眼内コンタクトレンズによる治療法もあります。


セルフケア

予防

近視になると、眼鏡やコンタクトレンズ無しでは視力が出なくなってしまいます。また、近視が進行し度数が上がると、眼鏡やコンタクトレンズの度数も変えていく必要があるため、進行を抑える予防をしていきたいものです。

まず、軽度な近視を自覚したら適正な度数の眼鏡などで矯正する必要があります。矯正せずに無理にピントを合わせようとすることは、反対に近視を早める原因になるので気をつけましょう。ふだんの生活では、長い時間ピントを近距離で合わせないように気をつける、適度に遠くを見て目の緊張をやわらげる、など視力の低下を防ぐ生活を心がけましょう。


監修

井上眼科病院 院長

井上賢治

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