色覚異常

しきかくいじょう

最終編集日:2023/3/27

概要

色覚異常とは、色が正常な人とは異なって見えたり、違う色と感じてしまう状態をいいます。

色覚とは、可視光線(約400~800nm)の波長の違いを色として認識する感覚をいいます。人は、目の網膜にある3種類の錐体と呼ばれる部分で、赤・緑・青の3色を感じとり、色を認識しています。色覚異常は、網膜にある錐体の異常が原因で起こります。遺伝による先天性色覚異常と、老化などによって生じた眼疾患に伴う後天性色覚異常があり、多くは先天性のものです。


日本では、男性の20人に1人、女性の500人に1人が先天性色覚異常をもつといわれており、また後天性色覚異常も、加齢による白内障のうち、視力が低下しているものについては、色覚異常も同時に起こっていると考えられ、かなりの割合で高齢者が色覚異常を有していると考えられています。色覚異常は、日常生活を送るのに支障がなく、自覚しにくい場合がほとんどです。まずは検査を受け、対処することが重要となります。

原因

色覚異常の原因は、網膜にある3種類の錐体と呼ばれる視細胞のうち、そのどれかが機能しなくなることで起こります。


先天性色覚異常は、遺伝子の異常が原因で起こります。両眼性で、異常の程度は変化せず、色覚以外の視機能に問題は生じません。遺伝の仕方によって異常が起こる視細胞が異なり、3つの型に分類されています。

●1型色覚……赤を感じる錐体に関する遺伝子に変異を生じる。性染色体Xに依存するX連鎖劣性遺伝で、全体の約25%を占める

●2型色覚……緑を感じる錐体に関する遺伝子に変異を生じる。性染色体Xに依存するX連鎖劣性遺伝で、全体の約75%を占める

●3型色覚……青を感じる感受性の錐体に関する遺伝子に変異を生じる。常染色体優性遺伝で、全体の0.02%とまれ

なお、2つ以上の錐体に異常が生じた場合は、色を見分けることができないので「全色盲」と呼ばれます。


後天性色覚異常は、加齢による白内障、緑内障や視神経疾患、糖尿病、薬剤投与などによって生じる網膜脈絡膜疾患が原因で起こります。両目または片目に色覚異常が現れることがあります。色覚以外にも、視力や視野に異常が出たりします。


症状

色覚異常では、先天性、後天性によって次のような症状があります。


【先天性色覚異常】

●1型色覚……黄緑と橙(だいだい)、緑と茶や灰色、青と紫、ピンクと灰色を混同しやすく、さらに、ピンクと水色も混同しやすい。また、赤が薄暗く見える

●2型色覚……黄緑とオレンジ色、緑と茶や灰色、青と紫、ピンクと灰色などを混同しやすい。緑は普通の明るさに見える

●3型色覚……黄が灰色に見え、青緑から紫にかけての色が緑または青緑に見える。赤と緑の場合は、どちらが失われても似た症状となり、赤から緑の波長域では色の差を感じにくくなるので、1型色覚と2型色覚を総称し「赤緑色覚異常」といいます。1型と2型の違いは「赤」に対する明るさの感じ方になります。


【後天性色覚異常】

加齢による色覚異常では、白内障の影響で、視界が常に茶色いフィルターをかけたように見えることがあります。また程度の差はありますが、青が黄色や茶色、赤が緑色に見える状態が混在します。後天性色覚異常では、先天性色覚異常と異なり、症状の程度や性質に変化があり、ほかにも、視力や視野などほかの視機能の障害が同時に起こることもあります。

検査・診断

色覚異常では、まず色覚検査表を使用した検査を行います。石原式色覚検査表や標準色覚検査表など、多色のモザイク模様に書かれた数字や記号を読みとる検査を行います。

色覚検査表を使用した検査で異常が認められた場合、15色のパネルを、基準となる色に近いと思うものから順に並べていくパネルD-15検査で、色覚異常の程度を確認したり、アノマロスコープを使った検査で、色覚異常のタイプ(1型色覚か2型色覚か)について確定診断を行ったりします。

治療

先天性色覚異常に対する治療法は現在のところありません。ただ、症状自体は悪化することはないので、自分の状態を正しく理解し、適切に対応することが重要となります。

後天性色覚異常は、色覚異常の原因となる病気を治療することで改善することがあります。

セルフケア

療養中

色覚異常の程度や、区別のつきにくい色、間違えやすい色は、人によって異なります。色覚の異常が判明したら、なるべく早めに眼科を受診しましょう。自分の色覚の特徴を把握して、色を誤認しやすい状況や注意すべきポイントを確認することで、問題なく日常生活を送ることができます。また、色以外の情報、例えば形や模様などで判断できるよう、明るい環境下で物をじっくりと見るなどの訓練をすれば、色の混同は少なくなります。


監修

井上眼科病院 院長

井上賢治

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