乱視
らんし

最終編集日:2022/1/11

概要

目のなかに光が入ると、光は黒目の外側にある角膜と水晶体を通って屈折し、目の奥の網膜に集められます。これが焦点です。乱視とは、目のなかでレンズの役割をする角膜もしくは水晶体がゆがんでいるため、目の焦点があわない状態をいいます。

乱視になるとピントが合わなくなり、物がぼやけたり、ぶれて見えたりします。ただし、人間の眼球は完全な球ではないので、たいていの人はわずかに角膜にゆがみがあります。ゆがみが強くなるほど、視界に影響を与えます。

原因

乱視には大きく分けて、正乱視と不正乱視の2つがあります。

正乱視は先天的なものが多く、もともとの角膜や水晶体の形が要因となっています。成長に伴って変化することもあります。

不正乱視は、後天的にけがや病気が原因で生じるものが多くなっています。角膜が円錐形にゆがむ円錐角膜や、水晶体が不均一に濁る白内障、逆さまつげが原因で角膜に傷がついたりして、乱視につながることもあります。

症状

視界がかすんで見える、ぼやける、物が二重に見えるなどの症状が現れます。また、乱視が強くなると、光を異常にまぶしく感じたりすることもあります。

子どもの場合、日常生活に支障があるほどの乱視を放っておくと、弱視になる危険性があるので、注意が必要です。

検査・診断

目の度数を計測するオートレフケラトメータという機械を用いて、乱視の度数と角度を測定します。このほか、乱視表といわれる放射線状に線が描かれた検査表を見て、線の濃さや太さが均一に見えるかどうかを調べ、自覚的に乱視の有無を検査します。乱視度数を入れて測ったほうが視力が良好である場合、乱視と診断されます。

治療

乱視のため物が見えづらい場合は、眼鏡やコンタクトレンズで矯正します。その際には、乱視の角度や度数にあったものをつくってもらいます。

不正乱視の場合、角膜の表面にでこぼこがあるため、ハードコンタクトレンズの利用が適しています。

セルフケア

病後

目を強くこすったり、逆さまつげがあったりすると、角膜を傷つけて乱視を悪化させる恐れがあるので気をつけましょう。

眼鏡やコンタクトレンズの度数があわないと、肩こりや眼精疲労の原因にもなります。その場合、眼科に相談して、再度矯正するなど、対処することが大切です。

監修

井上眼科病院院長

井上賢治

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