目のかすみ。すっきり見えるようになるには？

目は、見る距離によって水晶体の厚みを変えてピントを合わせます。その際「毛様体筋」という筋肉が遠くを見るときは緩み、近くを見るときは緊張します。加齢により毛様体筋の調節力も低下するので、近くが見づらくなる、ピントが合いにくくなるなど、いわゆる「老眼」の症状が出ます。近くを見続けると目が疲れるのは、毛様体筋の疲労が要因の1つでしょう。また、目の表面の乾きも目の疲れを引き起こします。PCなどの画面を見ていると、まばたきの回数は通常の半分くらいに減り、目の表面は乾きやすくなります。

すっきり焦点が合わないように感じるのは、加齢によりピント調節能力が低下していること（生理的な変化）や、長時間のPC作業により目が疲労していることなどが考えられます。ピント調節については、眼鏡などで矯正する以外に方法がないため、目の疲れを防ぐ対処方法をとりつつ、疲れを最小限にとどめるなどの工夫をおすすめします。

具体的には、電子機器の使用を1日2時間以内にすることが理想です。仕事などやむを得ないときは、予防目的で以下のようなセルフケアをおすすめします。

●疲れを感じたら目を休ませる

PC作業や読書など、長時間近くを見続ける作業はしないことが大切です。通常、1時間の作業で10分の休憩がすすめられています。遠くを見る、目を閉じるなどして、目の周りの筋肉を緩めて休みましょう。蒸しタオルなどで目の周りを温めることも効果的です。

●電子機器を使用するときは意識してまばたきをする

PCなど電子機器の画面を見ていると、まばたきの回数が少なくなり、目の表面が乾きます。意識的にまばたきすることが大切です。

●バランスのよい食事を心がける

角膜や網膜に作用し、涙の量を一定に保つ働きをする「ビタミンA」や抗酸化作用の強い「ルテイン」を豊富に含むほうれん草やブロッコリー、カボチャ、涙に含まれる脂の成分となる「EAP」「DHA」を含むサバなど青魚の摂取がおすすめです。

●ストレッチなど適度な運動や入浴を

ストレッチや適度な運動、入浴は血流をよくして全身の筋肉をほぐす効果が期待できます。入眠しやすくなり、良質で十分な睡眠で疲労回復を図れるでしょう。