細菌性食中毒さいきんせいしょくちゅうどく
最終編集日:2022/3/29
概要
食べたり飲んだりした食品がきっかけとなって中毒を起こす食中毒のうち、細菌が原因となっているものを細菌性食中毒といいます。食中毒をひき起こす細菌には、腸管出血性大腸菌O-157やサルモネラ菌、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオなど多くの種類があります。日本で確認された食中毒発生件数の8~9割を占め、高温多湿な梅雨の時期から夏場に多く発生します。
原因
食中毒をひき起こす細菌は大きく感染型と毒素型に分けられ、食中毒の発生の仕方が異なります。
●感染型
菌が付着した食品を食べることで、取り込んだ細菌が腸で増殖し発症します。代表的な原因菌にサルモネラ菌、カンンピロバクター、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌などがあります。
●毒素型
細菌が食品内で繁殖し、このときにつくられた毒素を取り込むことによって胃や腸に炎症などが起こります。感染型より潜伏期間が短いのが特徴です。代表的な原因菌に黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌などがあります。
症状
原因となる細菌の量と、感染した人の体調などによって症状の出方が大きく異なります。一般的には、毒素型では数時間、感染型では24~72時間程度の潜伏期間を経て腹痛、下痢、吐き気、嘔吐、発熱などの症状が現れ、数日から2週間程度つづきます。下痢や嘔吐が長時間つづくことで脱水症状をひき起こし、重症化することもあります。
カンピロバクターやサルモネラ菌に感染した場合には、重症化すると血便が出ることもあります。O-157で知られる腸管出血性大腸菌に感染した場合は、血便、尿毒症、脳症などの症状が出ることがあります。
検査・診断
腹痛や嘔吐、下痢などの症状の程度と、症状が出る前に食べた物、便の色や硬さ、ペットなどの動物との接触の有無などを問診で確認し、次に腹部などの触診を行います。原因を特定するために血液検査、尿検査、便検査を実施します。必要に応じて腹部X線(レントゲン)検査やCT検査などの画像検査を行うこともあります。
毒素型では数時間前に食べたもの、細菌型では24~72時間前に食べたものが原因として疑われます。
セルフケア
予防
腹痛や嘔吐、下痢などの症状の程度と、症状が出る前に食べた物、便の色や硬さ、ペットなどの動物との接触の有無などを問診で確認し、次に腹部などの触診を行います。原因を特定するために血液検査、尿検査、便検査を実施します。必要に応じて腹部X線(レントゲン)検査やCT検査などの画像検査を行うこともあります。
毒素型では数時間前に食べたもの、細菌型では24~72時間前に食べたものが原因として疑われます。
監修
鳥居内科クリニック 院長
鳥居明
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