Question

傷のある手で調理。加熱すれば食中毒は防げる?

手に切り傷があることに気づかず調理をしてしまいました。途中で気づいて手を洗い、アルコール消毒をしたのですが、食中毒が心配です。加熱すれば大丈夫でしょうか?

女性/30代

2024/08/12

Answer

手に傷がある場合、黄色ブドウ球菌による食中毒を考える必要があるようです。黄色ブドウ球菌は人の皮膚、鼻や口の中、傷口、髪の毛など、身の周りに一般的にみられる細菌です。この菌は35℃~40℃付近で最も増殖しやすく、食品中で菌が増えることによって毒素(エンテロトキシン)がつくられる特徴があります。

菌自体は熱に弱いのですが、毒素は熱に強いため、高温で加熱しても死滅しにくいといわれています。

感染した場合の症状は、食後1~6時間で吐き気、嘔吐、腹痛などを起こします。下痢を起こすこともありますが、発熱はありません。

手を洗い、アルコールで消毒されているので心配ないとは思いますが、万が一、黄色ブドウ球菌に汚染されていた場合、35℃~40℃の環境に食品が置かれていれば菌が増殖しやすく、毒素が発生する可能性も考えられます。


今後の対策としては、「つけない、増やさない、やっつける」の食中毒を防ぐ3原則を心がけましょう。

【つけない】

石けんを使って手をよく洗いましょう。手の甲、指先、爪や指の間、手首までしっかり洗うのがポイントです。

調理器具もよく洗います。包丁、ふきん、まな板は塩素系漂白剤でこまめに除菌するのがおすすめです。

手に傷がある場合は手袋をするなど、傷が食品に直接触れることのないよう注意しましょう。

髪の毛、つばが食品に入らないように気をつけましょう。

おにぎりなどを握るときにラップを使うと菌がつきにくく衛生的です。

【増やさない】

菌の多くは高温多湿な環境で増殖します。食品は冷蔵庫に入れて、菌が増えないようにしましょう。

【殺菌する】

ほとんどの菌やウイルスは加熱によって死滅します。十分な加熱で菌やウイルスをやっつけましょう。加熱の目安は75℃以上で1分以上。中心まで十分に火を通しましょう。


回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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