突発性難聴
とっぱつせいなんちょう

最終編集日:2022/4/20

概要

突発性難聴は、突然片方の耳の聞こえが悪くなる原因不明の病気です。20~60歳代に多く、年間3~4万人ほどが発症するといわれています。

難聴の発生と同時に、耳閉感や耳鳴り、めまい、吐き気などを伴うケースも多いため、耳鳴りで受診して突発性難聴と診断されるケースもあります。ただ難聴やめまいが起こるのは1度だけで、メニエール病のようにくり返すことはありません。

突発性難聴は完治するケース、聴力の低下が残るケース、重い難聴になるケースがありますが、治療開始までに時間がかかってしまうことが重症化の大きな要因となります。感覚細胞(有毛細胞)の障害は時間の経過とともに重くなり、やがて完全に壊れてしまいます。いったん壊れたら元に戻らないため早期の治療が重要です。

症状が現れてから2日以内に受診するのがよいのですが、できれば1週間以内、遅くても2週間以内に受診してください。


原因

突発性難聴の原因は不明です。人が音を聞くとき、中耳の耳小骨から伝わった振動が内耳の蝸牛のリンパ液に伝えられ、有毛細胞という細胞を振動させて、脳へ伝わる電気信号へと変換されます。

突発性難聴は、この有毛細胞が障害を受けることで起こります。有毛細胞が障害を受ける原因はよくわかっていませんが、内耳のウイルス感染、血液循環障害、日常生活のストレスなどが考えられています。ただ原因はひとつではなく、さまざまな要因が組み合わさって起こるのではないかともいわれています。


症状

それまでとくに耳の異常を経験したことのない人が、突然に片方の耳の聞こえが悪くなります。おもな症状は難聴で、耳閉感や耳鳴り、めまい、吐き気を併発することがあります。

●難聴

左右どちらか片側だけに起こります。再発はなく、発症から治療開始までの間に難聴の程度が変わることはありません。

●耳鳴り・めまい

内耳には聞こえを担当する蝸牛と平衡感覚を感知する三半規管が存在しています。

難聴に伴って耳鳴りが起こるのは、蝸牛に発生した障害が原因で、神経系が異常興奮を起こし、実際に音が鳴っていないのに脳に信号を送ってしまうことで生じます。さらに重症になると、三半規管にまで影響がおよび、回転性または浮動性のめまいを生じることがあります。


検査・診断

耳の穴、鼓膜、中耳に異常がないことを確認して、難聴の程度や種類がわかる純音聴力検査を行います。

聴神経鞘腫といわれる良性腫瘍が難聴をひき起こしている場合もあり、鑑別のためにCT検査やMRI検査を行う場合もあります。また言葉がどのくらい明瞭に聞きとれるかを確認するために語音明瞭度検査を行うこともあります。


治療

突発性難聴の治療は副腎皮質ホルモン剤、ビタミン剤、血流改善薬などの内服薬が中心となります。1週間以内にこれらの薬を適切に服用すれば多くの場合、改善が見込めます。難聴が高度でめまいなどの症状が強い重症の場合は、入院で点滴による治療が必要なこともありますが、ほとんどは内服による通院で治療ができます。

セルフケア

予防

突発性難聴は1/3が完治し、1/3が回復しても難聴が残り、残りの1/3は治らずに終わるといわれています。改善するか否かは、どれだけ早く治療を始めたか、また有毛細胞がどれだけ障害を受けたかが大きく影響します。

突発性難聴によって低下した聴力が固定してしまうと、改善することはむずかしくなります。個人差もあるため、期間は定義できませんが、早期からの発見・治療が重要です。治療開始が遅れたり、発症時に高度の難聴をきたしている、あるいはめまいやふらつきを伴っていたりすると、とくに回復する可能性が低くなります。

突発性難聴は自然に治ることはありません。音が聞こえにくくなったり、耳鳴りなどの異常を感じたりしたら、すぐに耳鼻咽喉科を受診しましょう。


監修

耳鼻咽喉科日本橋大河原クリニック 院長

大河原大次

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