更年期障害
こうねんきしょうがい

最終編集日:2022/1/11

概要

40歳代くらいからのぼせやほてり、頭痛などの体調不良、情緒不安定などさまざまな症状が出ることがあります。これを更年期症状といい、日常生活に支障が出るほど症状が重い状態を更年期障害といいます。女性は閉経前と閉経後の各5年間をあわせた10年間が更年期になります。男性にも更年期があり、40歳代後半から同様の症状が現れることがありますが、女性にくらべて変化が緩やかなため、老化現象のひとつとして気づかれない場合が多いようです。

原因

卵巣機能は40歳以降、徐々に低下し、卵巣から分泌される女性ホルモンであるエストロゲンも急激に減少していきます。このことによってホルモンの調整を担っている視床下部が影響を受け、体内のホルモンバランスがくずれ、さまざまな不調をひきおこします。

症状

更年期の女性が経験する症状は多岐にわたり、現れ方や重症度には個人差があります。更年期障害の特徴でもある「不定愁訴(ふていしゅうそ)」は、不快な自覚症状があり検査をしてみても「異常なし」とされるものをいいます。

おもな症状は次のとおりです。

●身体的症状

ホットフラッシュ(ほてり、のぼせ、発汗など)、動悸息切れ、疲れやすい、だるさ、倦怠感、冷え、めまい、立ちくらみ、耳鳴り、頭痛、肩こり、腰痛など。

●精神的症状

イライラや不安感、興奮亢進、うつ、気分の落ち込み、不眠・寝つきが悪いなど。


閉経後はこれらに加えて、膀胱炎や尿失禁、腰や膝の関節痛、目やのどの粘膜の異常、精神的に無力感に襲われる、といった症状が出る人もいます。

一方で、ほとんど不調を感じない人もいます。更年期障害の症状は性格やストレスの感じ方、あるいは子育て、親の介護といった環境要因にも左右されやすいものです。

検査・診断

不調を感じても、それが更年期障害によるものかどうかを判断することはむずかしいので、気になる症状がある場合は婦人科を受診することをおすすめします。十分な問診を行ってもらったうえで診断してもらうことが大切です。

治療

更年期障害のおもな治療法は3つです。


●ホルモン補充療法(HRT)

おもに加齢によって減った女性ホルモン、エストロゲンを薬剤によって必要量だけ補充する治療法です。ただしエストロゲンのみを補充した場合は副作用(子宮からの出血や乳房の張りなど)のリスクがあるため、プロゲステロンという黄体ホルモンも同時に使います。

閉経や子宮の有無によって黄体ホルモンを使わないこともあります。なお、血栓症やがんの治療中の場合などではHRTが受けられないケースもあります。

HRTで使用するホルモン剤には飲み薬、貼り薬、塗り薬などがあり、閉経後の骨粗鬆症、心臓や血管の病気の予防にも効果があるといわれています。


●漢方薬

更年期の女性によく処方されるのは当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などです。当帰芍薬散は冷え性傾向の人、加味逍遥散は疲れやすく不眠傾向がある人、桂枝茯苓丸はホットフラッシュなどの症状がある人に処方されます。HRTが使用できない場合や、症状が多岐にわたる場合には漢方薬が処方されることが多いようです。


●抗うつ薬・抗不安薬

気分の落ち込み、うつ、不安など精神的症状がつらい場合、またHRTが効かない場合に使用されるのが抗うつ薬、抗不安薬です。不眠の人には睡眠薬が用いられます。また、精神的症状が強い人にはカウンセリングも効果的です。専門のカウンセラーや周りの人たちに話を聞いてもらい、こころとからだにたまったストレスを軽減させることで症状が緩和されるといわれています。

セルフケア

予防

食事、睡眠、運動習慣を見直すことが大切です。年齢を重ねることで確実に女性ホルモンは減少し、さまざまな生活習慣病が目の前に迫ってきます。更年期障害の症状は自分のからだを今一度見直す時期に差しかかったサインだと考えて、生活習慣の改善に努めましょう。

監修

Raffles Medical Clinic Hanoi 婦人科

秋野なな

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