良性発作性頭位めまい症と診断。どんな病気?

回転性のめまいがひどく、受診したところ「良性発作性頭位めまい症」と診断されました。どんな病気で、どんな治療をするのでしょうか?
この質問への回答
保健同人フロンティアメディカルチーム
「良性発作性頭位めまい症」は、内耳に原因があって起こる内耳性めまいのひとつです。病名のとおり良性疾患ですが、めまい発作は患者さんのQOL(生活の質)を低下させるため、看過できない症状といえます。
症状として、頭を動かしたときや姿勢を変えた際に回転性のめまいが起こります。多くは1分以内で治まりますが、吐き気・嘔吐を伴う、数日から数週間めまい発作をくり返す、などのケースも珍しくありません。
内耳の前庭には「耳石」という小さな炭酸カルシウムの結晶があって、水平・垂直を感じ取る働きをしています。何らかのきっかけで、耳石が内耳の中を満たすリンパ液に乗って隣接する三半規管に入り込むことで、実際は頭が動いたり傾いたりしていないのに信号が送られ、めまいが起こります。
耳石が自然に吸収されたり、自然に元の位置に戻ったりすることで症状が治まるケースもあるため、対症療法として抗めまい薬や、吐き気・嘔吐を抑える制吐薬などを服用しながら様子をみます。
症状が続く、頻回に発作が起こる、薬物療法で改善がみられないなどの場合、浮遊耳石置換法(頭位理学療法)が行われます。半規管に入り込んだ耳石を出す(元に戻す)治療法で、決まった順番で頭をいろいろな方向に動かして耳石の移動を促し、7~8割に効果がみられます。ただし、耳石が入り込んだ半規管を特定できた場合のみ有効とされています。特定できない場合でも、非特異的運動療法と呼ばれる頭を動かす治療法が有効とされています。


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