おりものの異常

概要

おりものは腟から分泌される粘液で、成熟した女性なら誰もが経験するものです。おりものの量や不快感には個人差がありますが、月経前に増える透明なおりものは生理現象である場合が多く、心配する必要はありません。

病気や感染症を疑う必要のある異常なおりものは次のようなものです。

●トリコモナス原虫、カンジダ菌による腟炎

おりものが泡状で黄色く量が多い場合は、トリコモナスという原虫による感染症の疑いがあります。進行するとおりものににおいが生じるようになり、外陰部がかゆくなってきます。赤く腫れてくることもあります。

また、カッテージチーズのように白くポロポロしたおりものが出る場合は、カンジダ菌による感染症の疑いがあります。強烈なかゆみがあるため、外陰部をかいてしまうことで悪化します。

●自浄作用低下による腟炎

黄色いおりもののなかに茶褐色や血液の赤が薄く混じっている場合は、非特異性腟炎や萎縮性腟炎の疑いがあります。子どもや高齢者、免疫機能が低下している人に多く、腟の自浄作用が低下して大腸菌やブドウ球菌、連鎖球菌などに感染することによって起こります。

●淋菌による腟炎

うみのような黄色いおりものがあり、排尿時に痛みを感じる場合は、淋菌による感染症の疑いがあります。

●複数の細菌による腟炎

白く濁ったおりものが出て魚臭いにおいがする場合は、複数の細菌に感染している細菌性腟症である疑いがあります。

●そのほかの原因によるおりもの

悪臭があり、色が褐色または血液が混じっている場合には、タンポンの抜き忘れや異物を挿入したことが原因である可能性があります。また、子宮頸がんの症状として、このようなおりものが出ることもあります。

受診の目安

セルフケア

心配のないおりものかどうかの見極めができるよう、日頃から自身でも注意を払い、異常を感じた場合は、恥ずかしがらずに医療機関を受診しましょう。

考えられる病気

• 子宮がん
• 子宮頸がん
• 腟カンジダ症
• 子宮頸管炎
• クラミジア子宮頸管炎
• 腟トリコモナス症
• 非特異性腟炎
• 萎縮性腟炎
• 尿道炎
• 淋菌性尿道炎