子宮がん
しきゅうがん

最終編集日:2021/12/21

概要

子宮は骨盤のなかにある、筋肉でできた袋状の器官です。腟につながる下部分を子宮頸部、妊娠して胎児を育てる場所となる上部分を子宮体部といいます。

子宮がんとはこの子宮頸部にできる子宮頸がんと、子宮体部にできる子宮体がんの総称で子宮頸がんと子宮体がんの比率は約7:3といわれています。それぞれにがんが発生する原因、症状、治療法が異なります。

原因

子宮頸がんは子宮の下部分にできるがんで、おもな原因はヒトパピローマウイルス(HPV)への感染です。子宮体がんは子宮の上部分に発生するがんで、原因の約9割はエストロゲンという女性ホルモンの過剰分泌だといわれています。

症状

子宮頸がんは初期には自覚症状がないことも多く、がん検診でみつかるケースが少なくありません。子宮頸がんの病変部位は出血しやすくなるため、性交時に出血することが多くなります。

子宮体がんでは月経不順、不正出血、おりものの変化などが症状として現れます。

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子宮がん

検査・診断

子宮頸部、体部から検体を採取し、顕微鏡で検査する病理検査を行います。また超音波検査で子宮の状態を確認します。

がん細胞が確認された場合には病変の広がりを評価するため、CT検査、MRI検査などが行われます。

治療

子宮頸がん、子宮体がんともに手術での病変切除が標準治療となります。具体的な方法はがんが生じた場所、がんの広がり具合、年齢、妊娠・出産の希望の有無など、状況に応じて異なります。

場合によっては化学療法、放射線療法、ホルモン療法を組み合わせた治療が行われます。

セルフケア

予防

子宮頸がんはHPVワクチンによって予防できます。日本でも思春期の女子には定期接種となっており自己負担なしで接種できます。HPVは性交渉によって感染するため、一度でも性交渉をする前の接種が肝心ですが、性交渉経験後でも効果があるので医師と相談してください。また定期接種の対象ではないですが男児の接種もできます。

予防接種の有無にかかわらず、一度でも性交渉をした後は年に1回くらいの割合で子宮頸がん検診を受けるといいでしょう。

一方、子宮体がんは早期から不正出血を起こすことがあるので、少量でも気になる不正出血があれば、すぐ医療機関を受診するようにしましょう。

監修

Raffles Medical Clinic Hanoi 婦人科

秋野なな

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