股ずれとおりものかぶれの違い
股ずれとおりもののかぶれは違いますか? また、股ずれは、クセになりますか?
女性/40代
2022/01/28
股ずれやおりものかぶれなど、皮膚のトラブルについてのご相談をいただきました。
いずれも皮膚に炎症などのトラブルが起こっている状態と思われますが、これらについて考えてみましょう。
皮膚はごく薄い皮のようにみえますが、表面から順に「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つの層でできています。一番外側の表皮は、日光、ほこり、細菌、ウイルスなどの外界にあるあらゆる異物から体を守っています。真皮は汗腺や血管などが走行している組織で、皮膚に弾力を与えています。その内側の皮下組織は、皮下脂肪で体を保護し、エネルギーを貯える倉庫の役割を果たしています。
皮膚はこのように外界のあらゆる刺激から、常に体を守る大切な役割を果たしています。皮膚表面の保護機能(バリア機能)が壊れると、その部分は外界に直接さらされ、細菌などの感染を起こす可能性が出てきます。皮膚のバリア機能でも防ぎきれない外部からの刺激や、特定の原因物質が刺激となることなどで起こるのが皮膚の炎症や湿疹で、かぶれ、じんましん、あせもなどが代表的です。
股ずれは大腿の内側の皮膚どうしの接触が刺激となり、皮膚に炎症が起こっている状態と考えられます。赤みやかゆみ、ブツブツ、水ぶくれ(小水疱)などの症状が表れ、痛がゆいなどのほてり感を伴う場合もあります。肥満や汗かきの方に起こりやすい傾向があります。
一方、おりもの(帯下)によるかぶれは、帯下の刺激が原因で、陰部にかぶれなどの炎症を起こしている状態です。陰部は皮膚や粘膜からなりますが、皮膚も粘膜も外界に接しており、体を守る働きをしています。刺激によって表面のバリア機能が壊れると、炎症などのトラブルを起こします。
股ずれとおりものかぶれは、まずトラブルが起こっている場所が異なります。また、股ずれはくせになりますかとのご質問ですが、皮膚どうしが頻回に接触している状態が変わらなければ、くり返し起こる可能性があります。
対処法としては、症状がある場合は患部を清潔に保ち、薬剤師へ相談の上、症状に合った市販薬を試してみてもよいと思いますが、市販薬を1~2週間程度使用しても改善がみられない、症状が悪化しているなどの場合は、皮膚表面のトラブルは皮膚科、女性で股ずれなら、婦人科の診察を受けましょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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