甲状腺中毒症・甲状腺機能亢進症

こうじょうせんちゅうどくしょう・こうじょうせんきのうこうしんしょう

最終編集日:2022/4/6

概要

甲状腺は、のどぼとけから少し下にあり、甲状腺ホルモンを合成・分泌します。甲状腺中毒症(甲状腺機能亢進症)とは、甲状腺のホルモン濃度が異常となり、過剰に分泌されることで動悸やふるえ、発汗などの症状をひき起こす病気のことです。

原因疾患はバセドウ病や無痛性甲状腺炎、甲状腺腫などさまざまで、甲状腺中毒症はこれらの病気の総称です。


原因

甲状腺ホルモンの濃度が高まり、甲状腺中毒症をひき起こす代表的な病気が「バセドウ病」です。自己免疫性疾患のひとつで、体内に甲状腺を刺激する異常な抗体ができ、それが甲状腺を刺激することで過剰にホルモンが産生されます。女性に多く、発症のくわしい原因はまだよくわかっていませんが、なにかしら遺伝が関与しているといわれています。

また甲状腺中毒症は、甲状腺刺激ホルモンの過剰分泌や、甲状腺の一部に腫瘍が生じることでひき起こされることもあります。


甲状腺中毒症・甲状腺機能亢進症
甲状腺中毒症・甲状腺機能亢進症

症状

甲状腺ホルモンは代謝の活性化や成長を促す働きがあるため、甲状腺中毒症を発症すると、動悸・心拍数の増加、血圧の上昇、多汗・発汗、下痢などの症状がみられるようになります。疲労感はあるのに覚醒してゆっくり休めない、エネルギーが消費されすぎてしまうため食べても体重が減少するなどのほか、自律神経の緊張による指のふるえ、イライラ感などが現れるのも特徴です。

甲状腺中毒症のそれぞれの病気によっても異なりますが、甲状腺に腫れやしこりを感じたり、バセドウ病では眼球が突出したりするなどの症状が現れることもあります。


検査・診断

甲状腺中毒症が疑われた場合、甲状腺疾患を診断するために行われる血液検査、超音波検査などがとくに重要です。甲状腺ホルモンと甲状腺刺激ホルモンの血中濃度の測定によって、おおよその診断をすることができます。

バセドウ病の場合は、甲状腺ホルモン値は高く、甲状腺刺激ホルモン値は低くなるのが目安です。さらに、自己免疫検査や甲状腺を攻撃する抗体の有無や、超音波による画像検査で甲状腺の大きさ、腫瘍がないかなども調べます。

甲状腺がんが疑われる際には、CT検査やMRI検査により画像検査を行い、さらにくわしい状態を調べます。


治療

甲状腺中毒症の治療は、原因や重症度によって異なりますが、基本的には薬物療法(薬による治療)か手術が選択されます。

●薬物療法

甲状腺中毒症では、自律神経失調症に似た症状が起こるため、まずはこれらの症状を抑えるβ遮断薬が使用されます。バセドウ病の場合は、甲状腺ホルモンの過剰な分泌を抑制する抗甲状腺薬が用いられます。1~3カ月ほどで甲状腺ホルモンの数値は正常になり症状は治まりますが、正常な状態が維持できるようになるには、2年ほど服薬治療を継続する必要があります。もし薬物治療で症状の改善がみられない場合は、甲状腺の細胞を減らすために、放射性ヨウ素を用いたアイソトープ療法が行われることもあります。

●手術

甲状腺の腫瘍が原因の場合だけでなく、薬物療法が効かない重度のバセドウ病や甲状腺が大きい場合にも手術が選ばれることがあります。しかし、手術後は甲状腺機能低下症になりやすいため、甲状腺ホルモンの補充が必要です。甲状腺ホルモンの補充を生涯にわたって継続すれば、健康な人と変わらない生活を送ることも可能です。


セルフケア

予防

日常生活では過労に気をつけましょう。ふだんから疲れをため込まないよう、リラックスを心がけてください。

監修

医療法人青泉会下北沢病院 糖尿病センター長

富田益臣

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