Question

バセドウ病と診断されました

健診で甲状腺の腫れが見つかり、再検査を受けたところ、バセドウ病と診断されました。

女性に多くみられる病気で、症状は改善するものの完全に治癒することはないと聞きました。どのようにしてこの病気とうまく付き合っていけばいいですか。

女性/30代

2024/05/02

Answer

バセドウ病は、甲状腺の機能が過度に活発になり、甲状腺ホルモンが過剰に作られる甲状腺機能亢進症の代表的な病気です。

原因はまだよくわかっていませんが、甲状腺刺激ホルモンの受容体に対する抗体がつくられ、その抗体が甲状腺を刺激するために起こると言われています。自身の体を守る免疫機能に異常をきたし、本来なら異物とはみなされない自身の組織に対し攻撃してしまう病気のことを「自己免疫疾患」といいますが、バセドウ病は自己免疫疾患のひとつです。


この病気は、代謝が過剰に活発になるため、甲状腺の腫れや動悸などの主な症状のほか、精神面での不安定さや疲れやすさが特徴です。体が常に運動中と同じ状態になるため、動悸、食欲亢進、抜け毛や、女性では月経不順がみられることもあります。精神面では気持ちが落ち着かなくなる、イライラ感なども現れやすく、集中力が散漫になることもあります。


バセドウ病の治療は、薬物療法、放射性ヨウ素内用療法、手術があり、いずれも甲状腺ホルモンの量を減らして甲状腺の機能を正常に保ち、病気が自然に改善するのを待つ対症療法となり、一般的には薬の内服から開始することが多いようです。

薬物療法を開始すると徐々に症状が改善していきますが、一般的に、治療の効果を実感し、血液検査の結果が安定するまでには少し時間がかかるため、根気強く内服を続ける必要があります。

また、症状が良くなったからといって自己判断で薬を中止すると、すぐ症状がぶり返しますので、主治医と相談しながら指示に従うことが大切です。薬を服用していない場合でも、定期的な診察や血液検査を受けながら経過を見守る必要があります。


症状が現れていると、どうしても生活リズムを整えることが難しい場合もありますが、服薬や生活習慣の改善で甲状腺ホルモンの値をコントロールし、甲状腺の機能を安定させることで、生活に支障を感じずに、日常生活を送ることができるようになります。

食事や入浴も特に注意する必要はありませんが、一般的には身体と精神の安定を図るために、不必要な過労は避け、日常生活についても主治医に相談し指示に従うことが大切です。


甲状腺の疾患は、ストレスの影響を受けやすく、ちょっとしたことで症状が強くなったり、改善したりすることがあります。治療を開始してもしばらくは効果を実感できないこともあるため、焦ってしまうものですが、体の症状や病気と気長に付き合う気持ちでいるのが良いでしょう。また、一般的に睡眠リズムの乱れが生活を乱すことがあるため、できるだけ睡眠のリズムを整え、規則的な生活を心がけるとよいでしょう。治療によって症状が落ちついたら、散歩などの軽い運動をして、疲れたら30分程度休むなど、症状にあわせて生活を整える工夫も有効です。

現在の症状は、治療により落ち着くと思いますが、その間の日常生活や仕事については、医師に指示を仰ぐのがよいと思います。


回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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