単純性びまん性甲状腺腫

たんじゅんせいびまんせいこうじょうせんしゅ

最終編集日:2022/4/6

概要

単純性とは、甲状腺の働きに異常がないということです。腫瘍や炎症などもなく、甲状腺が腫れているだけで、正常に機能している状態が単純性びまん性甲状腺腫です。思春期に多くみられ、治療の必要もありませんが、将来的にバセドウ病や橋本病などの甲状腺機能異常を発症してしまう可能性もあるため、定期的な検査が必要です。

原因

原因としては、思春期や妊娠中などに、甲状腺ホルモンの需要の増加によってホルモンが不足してしまうことが考えられます。また、海藻などの過剰摂取や摂取不足によるヨードの欠乏、ホルモンの合成を阻害する物質(医薬品)によるものや自己免疫が関与している場合もあります。

症状

甲状腺の腫れはあっても、甲状腺機能に変化はありません。妊娠や授乳、月経時に腫れがみられることもあります。年齢を重ねるとともに自然消滅することが多いようです。まれに食道を圧迫するほど大きくなることがありますが、痛みなどの自覚症状がないため、健康診断などで偶然に発見されることがほとんどです。

検査・診断

ほかの甲状腺の病気の可能性がないか、とくにバセドウ病や橋本病が隠れていないか

は判断もむずかしいため、定期的に検査を行います。なかでも血液検査の結果は重要で、単純性びまん性甲状腺腫である場合、抗甲状腺自己抗体は陰性で、甲状腺ホルモンも正常値であれば、ほかの病気である可能性はきわめて低くなります。また、腫瘍の有無や結節性を判断するための超音波検査も行われます。


治療

甲状腺機能は正常であるため、多くは経過観察となります。甲状腺の腫れが大きい場合には、甲状腺ホルモン製剤などの薬による治療を行います。

しかし、まれに甲状腺ホルモン製剤の効果がみられないこともあり、その場合には手術や放射線ヨード治療を行うこともあります。

甲状腺機能に異常が現れることがあるので、年に1回程度の血液検査、甲状腺超音波検査を行って、経過をみていく必要があります。



セルフケア

病後

単純性びまん性甲状腺腫は、無治療で腫れが引いたとしても、将来バセドウ病や橋本病になるケースがあるため、最低でも年に1回は血液検査や甲状腺超音波検査などの定期検査を受けて、腫瘍やホルモン数値に異常がないかしっかりと経過をみていくことが大切です。

監修

医療法人青泉会下北沢病院 糖尿病センター長

富田益臣

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