乳児のノロウイルスによる胃腸炎が心配
生後7カ月の子どもがいます。ノロウイルスが原因の胃腸炎が流行していると聞きました。予防法や治療、家庭でのケアなどについて教えてください。
女性/30代
2022/12/16
嘔吐や下痢などの症状を起こす代表的な疾患は、ウイルス性のもの(ノロウイルス感染症、ロタウイルス感染症など)と細菌性のもの(カンピロバクター感染症、サルモネラ感染症、腸管出血性大腸菌感染症、腸炎ビブリオ感染症など)です。これらの疾患は小さな子どもにとって、症状がつらく、なかには重症化することもあるので、予防や適切な対処方法を知っておくとよいでしょう。ここでは、ノロウイルス感染症、ロタウイルス感染症についてお伝えします。
●ノロウイルス感染症
【特徴および症状】晩秋から冬に流行しやすい。嘔吐、発熱、下痢(水様便)などの症状がみられる。水分がとれず脱水症になりやすい。通常、2~3日で症状は治まり、回復に向かう。
【予防法および注意】①周囲の大人や家族は、こまめに手洗いやうがいを行う。②経口感染するので、感染者の吐物や便を処理する場合は次亜塩素酸ナトリウムで消毒する。
【治療】対症療法。水分の補給。必要があれば点滴で水分等を補う。
【家庭でのケア】吐き気が強い間は、水分はとらせずに様子をみる。吐き気が落ち着いてきたら1回10~30mL程度の白湯や乳児用のイオン飲料、母乳、ミルクなどを30分~1時間ごとに与える。食事は吐き気が治まって食べられるようになったら、これまでどおりの離乳食をはじめる。おかゆ、うどん、スープ、煮野菜、豆腐、煮魚などがおすすめ。
嘔吐が治まらない、ぐったりしている、顔色が悪い、唇が乾いて尿が少ないときには、緊急で受診が必要。
●ロタウイルス感染症
【特徴および症状】冬から春に多い。嘔吐、発熱、下痢(水様便)などの症状がみられる。便の色はクリーム色から白っぽくなる。便は徐々に普通の色に戻ってくるが、下痢が1週間くらい続くこともある。
【予防法および注意】①便を介する経口感染と考えられているので、周囲の大人や家族は手洗いやうがいを行う。②感染者の吐物や便を処理する場合は、次亜塩素酸ナトリウムで消毒する。③ロタウイルスワクチンの接種。ただし、ロタウイルスワクチンを接種できる時期は非常に短い(「ロタリックス」は生後6週から24週までに2回、「ロタテック」は生後6週から32週までに3回の接種を完了)ので、生後間もないうちに計画する必要がある。
【治療】ノロウイルス感染症と同じ。
【家庭でのケア】ノロウイルス感染症と同じ。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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