急性腎炎
きゅうせいじんえん

最終編集日:2022/4/7

概要

腎臓内で血液のろ過を行っている糸球体が炎症を起こし、それによってたんぱく尿や血尿、むくみ(浮腫)、高血圧などの症状がみられる病気を総称して、糸球体腎炎といいます。そのなかで、かぜや感染症の後2週間前後で発症し、急激に症状が出て1~3カ月で治まる一過性の炎症を、急性糸球体腎炎(急性腎炎)といいます。子どもに多い病気ですが成人でも発症します。性別では男性、季節は秋から冬にかけて多いとされています。

原因

秋から冬に流行する溶血性連鎖球菌(溶連菌)などの細菌による扁桃炎、皮膚炎などをきっかけとして、腎臓の糸球体という毛細血管が炎症して起こるものが80~90%を占めます。他にも肺炎球菌、ブドウ球菌などの細菌や水痘(水ぼうそう)、麻疹(はしか)などのウイルス、寄生虫などの感染症によっても起こるといわれています。

症状

扁桃炎や咽頭炎が治ってから、1~2週間くらいの潜伏期間を経て発症し、次のような症状が出ます。

・血尿(褐色・コーラ色)

ほぼ必発で、肉眼的血尿(約3割)の場合もあれば、目で見てわからない程度の血尿の場合もあります。たんぱく尿もほぼ9割で認められます。

・むくみ

顔やまぶたが腫れぼったくなる、すねがむくんで押すとへこむなどの症状が出ます。

急激な体重増加を認めることもあります。

・高血圧

7〜8割で認められ、2週間くらいで改善することが多いです。高血圧による頭痛や嘔吐があります。


そのほか、全身に倦怠感を認めることもあります。

重症の場合、尿量が少なくなり、むくみが強くなって肺にまでおよんで呼吸困難を起こし、一時的に透析が必要になる場合もあります。急速に進行して腎不全になることもあるので、注意が必要です。


検査・診断

扁桃炎・咽頭炎治癒後に血尿、むくみ、高血圧などの症状がある場合、急性腎炎が疑われます。

まず、溶連菌に対する抗体を確認する血液検査、尿検査を行います。多くの場合この時点で診断がつくことが多いですが、尿が出ない期間が長い、尿たんぱくの量が多い場合は腎生検を行うこともあります。腎生検は、背中に局所麻酔をしたうえで、腎臓に特殊な針を刺し組織を取り出し、顕微鏡で観察します。どのような腎臓病かの確定と、病状の把握のために腎生検を行い、治療方針を決定します。


治療

根本的な治療法はなく、保存的治療が中心となり、安静、保温を心がけます。水分や塩分、たんぱく質については食事制限があります。

薬物療法(薬による治療)では、溶連菌感染に対しては抗生物質(ペニシリン系、あるいはマクロライド系など)を使用します。また、高血圧症に対しては、降圧剤や利尿剤を用います。1~2カ月の入院および自宅での療養が必要です。

これらの治療は、発病初期の数日から数週間に限られます。むくみが軽減してきたら塩分制限は徐々に緩和し、尿の出方が正常になり、塩分制限をしなくてもむくみが出なくなれば、普通の生活に戻し、通常は薬を服用する必要もありません。

急性腎炎の多くは治癒しやすい病気ですが、一部は慢性腎炎に進行し腎不全へ進行し重症化することもあります。



セルフケア

予防

抵抗力が低下すると、細菌に感染しやすく、症状が悪化しやすくなりますので、普段から抵抗力を高めるように心がけましょう。規則正しい生活、適度な運動、バランスのよい食生活、十分な休養と睡眠、ストレスをため込まない、などの生活習慣を送ることが大切です。


監修

しみず巴クリニック 腎臓内科

吉田顕子

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