Question

排尿回数が少なく、病気かと心配

朝、起床時にトイレに行くのですが、(おしっこの出に)勢いがありません。また、朝に行ってから、仕事の日だと夕方までトイレに行くことはありません。意識して飲み物を飲んだりはしていますが、行きたくならないのです。以前、膀胱炎、尿管結石、腎盂腎炎になりました。冬になるととくに飲み物をとらなくなるため、心配です。何か病気かと考えてしまいます。

女性/40代

2022/01/28

Answer

1日の排尿回数が少ないので病気を心配なさっているのですね。排尿は生理的な現象ですが、異常を自覚しやすい症状の1つでもあります。今回は排尿についてご説明しましょう。


尿の生成と排せつに関係する腎臓、尿管、膀胱、尿道の臓器を尿路系といいます。腎臓は尿の生成を、尿管から尿道までの尿路は尿を輸送する機能を果たしています。


腎臓は、尿を生成して体液(血液や組織液)の水分量やその成分などの調整機能も担っています。腎臓や尿路に重い病気が起こると、からだの中の水分や電解質のバランスが乱れ、体内に水分がたまってむくんだり、過剰に水分や塩分が排泄され、脱水状態になります。

尿路系の問題は、初期は自覚症状がないことも多く、尿検査で病気が発見されることはよくあります。


尿量や回数が少ないと感じたときはまず、1日の排尿量と回数を確かめてみましょう。1日の尿量は条件によって変化しますが、成人の平均的な尿量は1000~1500mℓです。尿は体内の老廃物を排せつする大切な役目があるので、最低でも日に500 mℓ以上の排尿が必要です。1日50 mℓ 以下は、無尿という非常に悪い状態です。排尿の回数に関係なく1日の尿量が少ない場合は健康面の注意が必要です。500ml以下は「乏尿(ぼうにょう)」と呼び、健康に影響する状態です。

尿量が1日500ml程度でも、元々摂取水分量が少なく、なかなかトイレに行けない運転手やサービス業などの方には、病気でなくてもこのようなケースが散見されます。


排尿量が少ないと、本来排せつされるはずの老廃物が体内にとどまり、水分を制限すると尿が濃縮され、尿中の成分が濃く、固まりやすくなります。これは、腎臓や尿管の結石の原因となり得ます。病気で水分制限の指示がある場合以外は、1日の尿量が1000〜1500mlになるよう、水分摂取することが望まれます。


また、排尿量が少なく、老廃物を含む濃い尿が膀胱にたまると、尿道口付近にある細菌などが尿道を逆行して膀胱に至り、膀胱炎を起こすことがあります。予防には、水分を十分にとり尿量を増やし排尿すること、内から外へ洗い流すことが大切です。


尿が出にくい、勢いが弱い、排尿にお腹に力を入れる必要がある、といった排尿時の症状は、膀胱から尿道出口への通過が妨げられ、膀胱がうまく収縮できない場合に起こります。生活に支障が出たり、気になる症状や排尿にまつわる心配が長く続く場合は、泌尿器科を受診し、背景に病気がないかを確かめるとよいでしょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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