高尿酸血症こうにょうさんけっしょう
最終編集日:2025/12/16
概要
高尿酸血症とは、血液中の尿酸値が7.0mg/dLを超える状態と定義されています。腎臓からの排泄低下や、体内での産生過剰などが原因で尿酸が増えると、尿酸塩結晶が形成され、関節に沈着すれば痛風発作、腎臓や尿路に沈着すれば腎結石・尿路結石の原因になります。
高尿酸血症は、肥満、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病としばしば併存し、動脈硬化性疾患のリスクにも関連します。
原因
高尿酸血症は、以下の3つに分類されます。
・排泄低下型(最多)
・産生過剰型
・混合型
排泄低下の原因には、腎機能低下、利尿薬などの薬剤、過度の飲酒、肥満や高インスリン血症による尿酸排泄阻害などがあります。
アルコールはプリン体に関係なく 「産生増加+排泄低下」 の双方を引き起こすため、種類を問わず摂取量に注意が必要です。
症状
高尿酸血症そのものでは自覚症状がありませんが、痛風発作を起こすと、急性の関節炎として現れます。また関節への尿酸塩の沈着が進行すると、痛風結節が生じ、関節変形を引き起こすこともあります。
尿酸塩が腎臓に沈着すると、「痛風腎」と呼ばれる腎障害や尿酸塩を中心とした腎結石・尿路結石が生じやすくなります。また、高尿酸血症はメタボリックシンドロームと合併することが多く、心血管疾患(心筋梗塞・脳卒中など)のリスク上昇とも関連します。
検査・診断
●高尿酸血症の診断
血液検査で、尿酸値が7.0mg/dLを超えている場合は、高尿酸血症と診断されます。
●痛風の診断
痛風は、典型的な急性関節炎の症状、関節液中の尿酸塩結晶の確認、血清尿酸値、画像所見を総合的に判断します。
※痛風発作中は尿酸値が必ずしも高くならず、正常〜軽度高値のこともあるため、尿酸値のみでは痛風を否定できません。
治療
治療は痛風発作(急性期)の治療と高尿酸血症の管理に分かれます。
●急性期(痛風発作)の治療
・NSAIDs(第一選択)
・腎機能などで使えない場合はコルヒチンまたはステロイド
・コルヒチンは「前兆期(違和感)」での服用が特に有効
●高尿酸血症の長期管理
尿酸降下薬は、以下を目安に開始します。
・痛風発作を繰り返す
・痛風結節がある
・尿酸結石・腎機能障害を合併している
・生活習慣改善をしても尿酸値が高値で持続する
尿酸値は、6.0 mg/dL未満を目標に維持すると、尿酸結晶の溶解が期待できます。
●薬剤の種類
・尿酸生成抑制薬(アロプリノール、フェブキソスタット)
・尿酸排泄促進薬(ベンズブロマロンなど)
●生活習慣の改善
飲酒量を減らす、プリン体を多く含む食品(レバー、干物、エビなど)のとりすぎに注意します。脱水は尿酸値を上昇させるため、十分な水分摂取も重要です。尿の酸性化が強い(尿が酸性に傾いている)と尿酸が結晶化しやすく、結石ができるリスクが上がります。そのため、野菜・海藻などのアルカリ性の食品を増やし、改善しない場合は尿アルカリ化薬(重曹、クエン酸製剤など)を使用します。
セルフケア
療養中
高尿酸血症や痛風と診断された場合は、薬物治療と生活改善を継続します。高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満などの合併がある場合は、心血管疾患リスクがさらに高まるため、総合的な治療が必要です。
予防
高尿酸血症自体には自覚症状はありません。定期的に健診を受けて血中の尿酸値をチェックしましょう。
監修
医療法人青泉会下北沢病院 糖尿病センター長
富田益臣