HbA1c値を改善する食事と運動

血液検査のHbA1c値は、過去1～2カ月の血糖の平均を示すため、血糖値のコントロールの状態がわかります。HbA1cの基準値は5.5％以下（日本人間ドック・予防医療学会）となっており、5.6％以上6.5％未満は生活習慣改善が必要な数値です。

糖尿病のほとんどは予防できる疾患です。ご相談者のHbA1c値は5.9％ですので、今後改善するための対策が必要でしょう。

HbA1c値を改善するための留意点をお伝えいたします。

● 食事は1日3食できるだけ均等にとり、間食は控えましょう。よく噛んで、ゆっくり食べるようにします。食べすぎは避けて、腹八分目を守りましょう。例えば、飲み会やイベントの翌日は朝昼を控えめにするなど、食べすぎたときはほかの食事で上手に調整します。また、野菜や汁物を先にとることは、血糖値の上昇をゆるやかにします。

● バラエティに富んだ食事をとり、同じものに偏らないようにします。肉の脂身や揚げ物は少なくして、野菜、海藻などをしっかりとるようにしましょう。

● ウォーキングなどの有酸素運動を行いましょう。毎日行うのが理想ですが、目安は週3日以上、１回10～30分程度。または1日約1万歩を目標に続けるようにします（テンポよく歩くとよいです）。ただし、関節に痛みがある場合や体調がすぐれないときは、運動は控えましょう。

● 筋力トレーニングも行うとより効果的です。週2日以上を目安に、自宅でできる腹筋、スクワット、腕立てなどがおすすめです。

● BMI（体格指数）は20～22が理想です。体重のコントロールを心がけましょう。

● 飲酒は適量が無難です。適量は週当たり7合以内です。

● ストレスや疲れを上手に解消し、リフレッシュを心がけ、睡眠時間を確保するなどからだのコンディションを整えて過ごしましょう。血糖を下げるホルモンの働きや分泌にも影響します。

生活習慣に気をつけて過ごすことで数値の改善が期待できます。まずはできそうな習慣から改善に取り組みましょう。また、受診の機会がありましたら、医療機関で数値を確認してみるのもよいでしょう。