腹圧性尿失禁

ふくあつせいにょうしっきん

最終編集日:2022/1/11

概要

せきやくしゃみをしたり、走ったり、重い物をもち上げたり、おなかに力を入れたときに、自分の意思に反して尿がもれることがあります。これが腹圧性尿失禁です。

多くの人が悩んでいる症状ですが、恥ずかしさから多くの人が受診を避ける傾向にあります。外出の際に不安を感じるなど生活の質が下がるので、がまんせずに泌尿器科を受診しましょう。

原因

女性では、肥満、加齢、分娩などによって尿道の固定が弱くなったり、骨盤底筋(骨盤の底の筋肉)がゆるむために起こります。重い荷物を持つ仕事や排便時に強くいきむことなども骨盤底筋を傷める原因になります。

男性は、前立腺の手術の際に尿道括約筋(尿もれをふせぐ筋肉)が傷つけられることで、腹圧性尿失禁が起こることがあります。

腹圧性尿失禁
腹圧性尿失禁

症状

この病気は中年以降の女性に多く、加齢や出産をきっかけに症状が現れます。

せきやくしゃみをしたとき、大笑いしたとき、急に立ち上がったとき、階段の上り下りをしたとき、重い荷物を持ったとき、運動時などに腹部に力を入れたときなどに自分の意思とは関係なく尿がもれてしまいます。

検査・診断

検査には次のようなものがあります。

・排尿日誌

1回の排尿量、1日の排尿量、排尿の間隔などを数日間記録して、医師がチェックします。大体の排尿や尿もれの状態がわかります。

・尿検査

尿路感染症があるかどうかを調べます。

・残尿測定検査

排尿した後に、どのくらい膀胱(ぼうこう)に尿が残っているかを見ます。おなかに専用の小さな超音波検査装置を当てるだけの簡単な検査です。

・パッドテスト

水分をとった後に、専用のパッドをつけて1時間決められた動作や運動をしてもれた尿の量を測ります。

一般的には問診と体に負担の少ないこれらの検査で診断することができます。必要に応じて、内診台での診察やチェーン膀胱造影検査、尿流動態検査などが行われます。

治療

症状が軽い場合は、「骨盤底筋体操」という運動をくり返し行うことが効果的です。弱くなってしまった骨盤底筋を強くするもので、尿道の固定を改善させて、尿もれを防ぎます。

肥満の人は、体重を減らすことで改善する場合があります。

改善しない場合や、症状が重い場合は、薬(尿道をひきしめる働きがある薬)による治療や中部尿道スリング手術というテープで尿道を支える手術などを行います。

セルフケア

療養中

「骨盤底筋訓練」は、肛門や、女性なら腟の周辺の筋肉を締めたり緩めたりする運動で、くり返し行うことで骨盤底の機能を維持・向上させることができます。

監修

なかむらそうクリニック 院長

中村聡

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