Question

軽い刺激で尿もれが。原因や改善策は?

くしゃみをしたり、笑ったりなど、ちょっとした刺激で尿もれを起こしてしまいます。軽い運動などでも尿もれが起こるので、軽失禁用の吸水シートが外せません。ウォーキングなどで改善するでしょうか?

女性/30代

2022/06/24

Answer

女性の30~35%程度に尿もれの経験があるといわれています。妊娠中や分娩後、体重の増加、矯正下着、便秘、せきなどにより、膀胱、尿道、子宮、腟などの臓器を下から支えている筋肉、靱帯、腹膜などの結合組織からなる「骨盤底筋群」に負担がかかることや、緩むことがおもな原因です。


尿もれにはいくつかのタイプがあります。くしゃみなどの刺激で尿漏もれが起こる腹圧性尿失禁、尿意を感じるとすぐトイレに行きたくなって間に合わずにもれてしまう切迫性尿失禁(過活動膀胱)、膀胱内に大量の残尿があってさらに尿がたまると少しずつもれる溢流性尿失禁、全身とくに下肢の運動機能が低下した高齢者などがトイレに行くのが間に合わずに起こる機能性尿失禁があります。

このうち、女性の尿もれに多いタイプは、腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁です。ちょっとした刺激で起こる尿漏れは、腹圧性尿失禁でよくみられます。腹圧性尿失禁には、軽い症状の場合、骨盤底筋を強くする骨盤底筋体操が効果的です。毎日欠かさず10分ほど行うと、早ければ2~3週間で効果を感じられることもありるので、3カ月を目安に続けることが大切です。


●骨盤底筋体操の手順

【あおむけで】

① あおむけに寝て、足を肩幅に開く

②ひざを少し立ててからだの力を抜き、肛門と腟を締め、そのままゆっくりと5つ数える。もし途中で力が抜けてしまったら、また締め直す。筋肉が強くなれば、締めたままの状態をキープできるようになる。この動作をできるだけくり返す

【椅子に座って】

①床につけた足を肩幅に開き、背中をまっすぐに伸ばし、頭を上げて前を見る

②肩の力を抜き、おなかを動かさず、力が入らないようにしながら、ゆっくりと肛門と腟を締める。この動作は机に両手を突いてもたれた姿勢でも行ってよい


体重が多めの場合は、標準体重に近づけることも大切です。また、排尿途中で一時的に何度か尿を止めると、骨盤底筋体操と同じ効果が得られます。病院を受診すると症状や程度に応じ、内服薬を処方されることがありますが、骨盤底筋群体操とあわせて行うと効果が現れやすくなります。また、症状が重い場合は手術をすすめられることがあります。近年、TVT手術(メッシュテープで尿道中部を支える方法)もよく行われています。


また、尿もれがあるときは、日常生活で次のような点に注意しましょう。

●冷えを防ぐ

●入浴などで体を温める

●体を温める食品をとる。夏でも温かい飲み物がよい

●コーヒー、紅茶などカフェインを多く含むものは控えめにする


なお、骨盤底筋体操を行い、日常生活の留意点を守っても改善がみられない場合は、婦人科または泌尿器科の受診をおすすめします。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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