Question

子宮の摘出手術後の尿漏れ。咳をしても漏れる

子宮の全摘出手術を受けて以来、尿漏れがひどくなりました。かかりつけの婦人科医に相談したところ、手術の影響ではないようなのですが、この場合、何科で相談をしたらよいのでしょうか?

女性/50代

2024/06/04

Answer

女性の30~35%に尿漏れの経験があるといわれています。主な原因は、体重の増加、加齢、分娩などにより、膀胱、尿道、子宮、腟などの臓器を下から支えている骨盤底筋群(筋肉、靭帯、腹膜などの結合組織からなる)がゆるんでしまうことによるものです。


尿漏れはいくつかのタイプがありますが、骨盤底筋群がゆるみ、咳やくしゃみなどの刺激で尿漏れが起こる腹圧性尿失禁、排尿をしたいと感じると我慢ができず、トイレに着く前に漏れてしまう切迫性尿失禁、膀胱に尿が残った状態(残尿)になって尿があふれて漏れてしまう溢流性尿失禁、トイレまで遠いことで間に合わないために起こる機能性尿失禁があります。

受診をされる場合の専門の診療科は泌尿器科となります。


女性でもっとも多いのが、骨盤底筋群がゆるむことで起こる腹圧性尿失禁です。そのセルフケアとして行われるのが「骨盤底筋体操」です。

毎日欠かさず10分ほど行うと2~3週間で効果を感じられる人が多いです。3カ月を目安に根気よく続けることが大切といわれています。


骨盤底筋体操の方法は以下のとおりです。

●仰向けに寝て、足を肩幅に開き、膝を少し立てます。体の力を抜き、肛門と腟を締め、締めたままゆっくりと5つ数えます。もし途中で力が抜けてしまったら、また締め直しましょう。筋肉が強くなれば、締めっぱなしにできるようになります。この動作をできるだけ繰り返します。

●床につけた足を肩幅に開き、背中をまっすぐに伸ばし、頭を上げて前を見ます。次に肩の力を抜き、おなかが動かないようにして、またおなかに力が入らないようにしながら、ゆっくりと肛門と腟を締めます。この動作は、机に両手をついた姿勢で行えますが、座った姿勢でも行えます。バスや電車に乗っているとき、家でテレビを見ているときにもできる簡単な体操です。


また、排尿途中に、一時的に何度か尿を止めると骨盤底筋体操と同じ効果が得られます。

そのほか、体重が多めの場合には、標準体重に近づけることも大切です。

症状や程度に応じて、内服薬を処方されることがありますが、骨盤底筋群体操とあわせて行うと効果が現れやすいでしょう。

症状が重い場合には、手術をすすめられることがありますが、タイプによっては薬が有効なこともあるため、まずは専門医に相談してみることをおすすめします。


さらに日常生活の留意点を紹介します。

冷えを防ぐため、入浴などで体を温めましょう。飲み物は夏でも温かいものを選ぶとよいでしょう。血行をよくして体を温める食品であるしょうが、とうがらし、にんにく、たまねぎ、納豆、かぼちゃ、にんじん、魚、肉などをとるようにします。反対に、カフェインを多く含むコーヒー、紅茶などは控えるようにしましょう。


回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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