心因性頻尿

しんいんせいひんにょう

最終編集日:2023/8/23

概要

頻尿とは臨床的には、1日あたり、昼間に8回以上トイレに行く場合を指します。頻尿の原因はさまざまですが、心理的な要因が引き金となって頻尿が起こるのが心因性頻尿です。比較的若い世代の女性に好発するといわれます。

原因

不安や緊張などの精神的ストレスがあって、頻尿が起こります。引っ越しや異動、転校などの環境の変化、人間関係のストレス、試験、発表への緊張などがきっかけになります。また、過去にトイレに関するつらい経験(トイレに行きたいのにすぐに行けずに苦しかった、トイレに行くべきでない場面でトイレに行って恥ずかしかったなど)があって「また同じことが起こるのではないか」という不安が原因となることもあります。

症状

試験やプレゼンテーションなどの前に、何度もトイレに行きたくなる(行く)、バス旅行や観劇など、トイレに行けない時間が長いと不安になって事前に何度もトイレに行きたくなる(行く)、トイレに行きづらい状況になると尿意が強くなる、などの症状が現れます。多くの場合、トイレに行っても尿はあまり出ません。

また、夜間にトイレに起きることは少なく、何かに集中していると尿意を忘れ、頻尿も起こらなくなります。重症になると、トイレに関する不安が大きくなり、外出を控えるなど、社会生活に支障をきたすようになります。

検査・診断

問診で頻尿が起こる状況をくわしく聞き出し、血液検査、尿検査、超音波(エコー)検査などで、膀胱や腎臓に原因となる病気がないかを調べます。

膀胱炎(尿路感染症)や過活動膀胱、泌尿器の腫瘍、男性では前立腺肥大症などとの鑑別診断を行います。とくに過活動膀胱との鑑別が必要で、過活動膀胱であれば以下のような症状がみられるため、見極めのポイントになります。


●家にいても頻尿や尿意切迫感が起こる、夜間頻尿がみられることがある、トイレに行くことを我慢することで、実際に尿漏れを起こすことがある、中高年である、など。

治療

子どもの場合は、基本的に「何も治療をしない」ことが多いです。何か夢中になれる遊びや運動をさせたり、「いつでもトイレに行ける」という環境をつくって安心させたりすることで、改善する場合もあります。

若い人の場合は、まず原因となっているストレスを取り除くことが肝要です。職場や学校の環境、仕事内容、人間関係などを見直します。それでも改善しない場合には、薬物療法として抗うつ薬や抗不安薬などを用いることがあります。過活動膀胱との鑑別がむずかしい場合には、抗コリン薬など過活動膀胱の薬を用いる場合もあります。

行動療法として、膀胱訓練を行います。尿意を感じてもしばらく我慢する方法で、徐々に我慢する時間を延ばしていきます。心因性頻尿の場合、実際には膀胱に尿が十分にたまっていないので、トイレに行かなくても漏らす心配はないという体験を重ねていきます。

また、外出先で、トイレを利用できる場所を確認しておき「急に尿意を感じても大丈夫」と安心できる状況をつくることもプラスになります。

監修

しみず巴クリニック 腎臓内科

吉田顕子

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