尿酸値を下げるには？

尿酸は、たんぱく質の一種のプリン体が代謝された後の残りかすのようなもので尿酸値は尿酸の産生と排せつのバランスがとれているかをみる検査です。基準値は2.1～7.0mg/dLで、これ以上は高尿酸血症と呼ばれる状態です。高値が続くと尿酸が結晶として関節に蓄積し、痛風発作という突然の関節痛を引き起こします。また、尿路結石もできやすくなり、腎機能が低下してしまうこともあります。

尿酸値が高くなる原因として、血中の尿酸の過剰生成（遺伝性、細胞崩壊、内分泌障害、食事性）の場合と、腎臓からの排せつ異常（先天性代謝異常、腎疾患、高血圧、薬物使用の後遺症）の場合があります。近年、メタボリックシンドロームとの関連も指摘されています。

健診結果が要精密検査などの場合は、できるだけ早めに受診し、原因疾患の有無などを調べましょう。必要に応じ、栄養指導や運動療法についての助言も得られるので、改善の早道となるでしょう。

生活上の改善ポイントについては以下のとおりです。

●食事……第1のポイントは総エネルギーを抑えること。体内の尿酸のうち食品からのプリン体は約2割で、残りの8割は体内の代謝によるからです。尿酸は尿が酸性に傾くと溶けにくい性質のため、尿をアルカリ化しやすい野菜や海藻類、牛乳などを十分とりましょう。牛乳は1日約200mLが適量です。

●飲酒……アルコールが体内の尿酸を増やすため、週2日以上の休肝日をとるとともに、1日の適正飲酒量（純アルコール20ｇ）を守りましょう。ビールなら500mL、ワインなら200mLです。日本酒は１合、ウイスキーはダブル1杯、焼酎なら120mLが目安です。

●水分……水分が不足すると血液が濃くなり、尿酸値も高くなります。尿量を増やすと尿酸が体外へ排出されやすくなるので1日2Lを目安に水分を補給しましょう。

●運動……激しい運動ではなく、ウォーキングや軽い水泳、自転車などの有酸素運動が効果的。1回20分以上の運動を週3回以上がすすめられます。ただし、瞬発力を要するような運動やリフティングなどの筋肉強化トレーニングは、かえって尿酸値が高くなることがあるので留意してください。

●メンタル面……ストレス解消法をみつけ、リラックスする時間をつくりましょう。

ご相談者の行っている運動やダイエットの方法が尿酸値を下げるために有効かどうか、一度医師に相談してみてはいかがでしょうか。