胆嚢ポリープたんのうぽりーぷ
最終編集日:2022/4/5
概要
胆嚢ポリープとは、胆嚢の内側にできるイボのような隆起物の総称です。そのほとんどが胆嚢の内側にコレステロールが沈着してできるコレステロールポリープです。大きさは10㎜以下で治療の必要がない良性のものが大半を占め、超音波検査を受けた1〜2割の人にみられます。
まれに悪性の胆嚢がんや腺腫など、治療が必要な場合もあります。ポリープの段階で発見される胆嚢がんは早期のことが多く、手術で完治させることが可能です。
原因
胆嚢ポリープには、コレステロールポリープ、過形成ポリープ、炎症性ポリープ、腺腫性ポリープ、胆嚢がんの5つのタイプがあります。そのなかでももっとも多いのが良性のコレステロールポリープで、肥満、脂質異常症、糖尿病などとの関係があるとされています。
症状
健診や人間ドックの超音波検査で偶然見つかることが多い胆嚢ポリープは、ほとんどの場合、良性で無症状です。ポリープが悪性で症状が進んだ場合には、黄疸や発熱、倦怠感などの症状が現れることがあります。
検査・診断
胆嚢ポリープの多くは、健診などの腹部超音波検査で偶然、発見されます。ポリープの大きさや形、数、出血の有無などを観察しますが、超音波検査の画像診断だけでは、ポリープが良性なのか悪性なのかを正確に見きわめることがむずかしいため、時間をあけてくり返し検査を行う場合があります。
10㎜以下のポリープは、そのほとんどが良性のコレステロールポリープですが、それ以上の大きさのポリープが見つかった場合には、CT検査やMRI検査を行い、注意深く観察します。
治療
ほとんどの場合、無症状で良性のため治療の必要はありませんが、なかには悪性のものに進行する場合があるため、定期的に検査を受け経過観察を行います。
大きさが10㎜以上あるものや、経過観察中に大きくなっているもの、ポリープの茎の部分の幅が広いものなどは、胆嚢がんが疑われるため治療が必要です。具体的には、胆嚢を摘出する手術を行いますが、手術の方法としては、腹部を切開して行う開腹手術と、腹部に数カ所の小さな穴を開けて処置を行う腹腔鏡下胆嚢摘出術があります。胆嚢がんの可能性が高い場合には、開腹手術になります。
セルフケア
予防
胆嚢ポリープは、肥満や脂質異常症、糖尿病などメタボリックシンドロームとの関係があるといわれています。まずは生活習慣を見直し、肥満に気をつけましょう。
食事面では、食べすぎないこと。動物性脂肪のとりすぎも要注意です。また運動不足にならないようにウォーキングなど、からだに負担の少ない運動を継続的に行うことも有効です。
また健診などで胆嚢ポリープが見つかった場合には、すぐに治療を行う必要がないと判断された場合でも、定期的に検査を受けながら経過観察する必要があります。くわしくは消化器病専門医などに相談してください。
監修
鳥居内科クリニック 院長
鳥居明
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