膵嚢胞

すいのうほう

最終編集日:2022/10/31

概要

膵嚢胞とは、膵臓のなかや周りに体液が入った袋(嚢胞:のうほう)ができる病気です。袋の大きさは数mm程度の小さいものから10cmを超えるものまでさまざまで、良性と悪性があります。

多くは無症状のため、人間ドックなどで偶然みつかるケースが増えています。みつかったとしてもすぐに治療の必要はなく経過観察となります。

なかには時間をかけて悪性化するものがあるため、定期的に精密検査を受ける必要があります。


原因

膵嚢胞には、生まれつきの先天的なものと、膵炎や腹部のけがなどに伴って発症する後天的な腫瘍性のものなどがあります。酒の飲みすぎや喫煙などによっても発症するリスクが高まるとされ、また年齢とともに増えていくともいわれています。どうして嚢胞ができるのかについては、くわしくはわかっていません。

症状

健診や人間ドックをきっかけにみつかるケースが多く、自覚症状はほとんどありません。嚢胞の大きさや種類によっては、腹痛や吐き気、腹が張るような症状が出ることがあります。腹部を触るとこぶのようなふくらみを感じることもあります。

腫瘍性の嚢胞にはがん化するものもあり、その場合は、病気が進行すると体重の減少や倦怠感、食欲不振などの全身症状が現れるケースもあります。


検査・診断

膵炎などの炎症に伴って発症する良性のものから、腫瘍性のものまでさまざまな種類があり、なかには手術が必要となるものも存在します。

タイプによって治療方針が大きく異なるため、できるだけ正確な診断を行う必要があります。具体的には、CT検査やMRI検査で嚢胞の大きさや発生した場所、大まかな形態をみます。また、超音波内視鏡検査の精密な画像を使ってよりくわしく観察することもあります。

膵嚢胞の近くに膵臓がんが発見されることもあるため注意が必要で、がんが疑われる場合には、組織の一部や膵液を採取して顕微鏡で観察する病理検査を必要に応じて行います。時間をかけてがん化するものもあるため、一定の期間をおいて超音波検査を複数回行うことがあります。


治療

膵嚢胞の治療は、その種類によって異なります。先天性の場合は治療の必要はありません。

膵炎や腹部のけがなどによって発症した嚢胞は、膵炎と同じように安静、絶食、点滴で経過を観察します。鎮痛剤や抗菌薬などの薬を使った内科的な治療を行います。このような治療を行っても症状が改善しない場合や合併症がある場合には手術を行います。

がんが疑われる場合の治療は、原則として手術となります。


セルフケア

予防

膵嚢胞の原因は、その種類によって異なりますが、アルコールの過剰摂取がきっかけとなることもあります。まずは禁酒を心がけましょう。完全に禁酒することができない場合には、飲酒量をコントロールすることです。週に2日程度、酒を飲まない日を設けることも有効です。

肥満や喫煙によっても発症するリスクが高まるため、肉類中心で動物性脂肪の多い食生活や喫煙習慣は改めるようにしましょう。

膵嚢胞には、進行するとがん化するものもあるため、定期的に検査を受け続けることが大切です。



監修

鳥居内科クリニック 院長

鳥居明

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