胆石症

たんせきしょう

最終編集日:2023/10/16

概要

胆石は、胆汁の成分が何らかの誘因によって固まって、小さな石のような形になったものを指します。存在する場所によって、胆嚢結石症、総胆管結石症、肝内結石症に分けられます。胆嚢結石症が約70%、総胆管結石症が約28%、肝内結石症が約2%の発症率ですが、複数の場所に胆石が存在するケースもまれではありません。また胆石の成分によって、コレステロール石と色素石(ビリルビンカルシウム石、黒色石)があります。

胆石症は、以前は50~60代の女性に好発するといわれていましたが、最近では男性の発症増加がみられ、好発年齢は60~70代、男女比はおおよそ同じと考えられています。ただし、コレステロール石は、肥満気味の中年女性に多くみられるとされています。

原因

胆石をつくりやすいリスク要因として、加齢、肥満、高脂肪食などの生活習慣や、脂質異常症、胆道感染症、胆汁うっ滞、薬剤性、妊娠などが挙げられます。総胆管結石は胆嚢結石や肝内結石が胆管に移動したものの場合があります。

コレステロール石は、高脂肪食、脂質異常症、糖尿病、妊娠などにより、コレステロールが過剰になる「コレステロール飽和胆汁」が原因となってつくられます。色素石には、ビリルビンカルシウム石と黒色石があり、ビリルビンカルシウム石は細菌感染が原因とみられています。黒色石は血液の疾患や肝硬変でリスクが高くなりますが、原因はまだ明らかになっていません。

症状

食後30分から2時間ほど経ってからの、みぞおちや右季肋部(右の肋骨の下あたり)の激しい痛み(疝痛〈せんつう〉発作)、さらに右肩や背中に広がる痛み(放散痛)が特徴的です。発熱や黄疸(おうだん)を伴い、「シャルコーの三徴(発熱・黄疸・上腹部痛)」と呼ぶこともあります。胆管炎を起こしていると、シャルコーの三徴に加え、意識障害やショック症状を伴う「レイノルズの五徴」を現すこともあります。しかし、胆嚢結石症の約30%、総胆管結石症の約20%は疝痛発作がみられずに、ほかの検査などで胆石の存在を指摘されることもあります。

検査・診断

血液検査で炎症反応、白血球数、胆道系の酵素値、肝機能などを調べます。腹部超音波(エコー)検査、CT検査、MR検査、胆管膵管造影X線検査、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)などの画像診断を用いて、胆石の場所の特定、数、大きさ、胆嚢・胆管の状態などをくわしくみます。消化管潰瘍や膵炎、尿管結石、胆嚢がん、胆道がんなどとの鑑別のほか、胆嚢炎や胆管炎の合併の有無をみることも必要です。

治療

●胆嚢結石症

無症状なら、経過観察を行います。症状がある場合には、経口胆石溶解療法、体外衝撃波結石破砕療法(ESWL)、胆嚢摘出術などから選択されます。

・〈経口胆石溶解療法〉……胆嚢・肝機能が障害されていないコレステロール石に適応されます。胆石を溶解する「胆汁酸製剤」を内服します。

・〈ESWL〉……体外から衝撃波を与えて、結石を細かく砕き排出する方法です。コレステロール石に適応されます。

・〈胆嚢摘出術〉……腹腔鏡下で行われることが多いです。胆嚢がんの併発が疑われる場合や総胆管結石症も併発している場合、炎症をくり返して癒着が強度の場合は、開腹手術が選択されます。


●総胆管結石症

無症状でも、のちに胆管炎を発症して重症化するリスクが高いため、内視鏡でERCPを行い、バスケット鉗子で石を摘出したり、腸管への出口の乳頭を切開し、自然排石を促します。以前は手術で総胆管結石の排除を行い、胆嚢結石症を併発している場合は胆嚢摘出術も行われていました。膵炎や胆管炎を併発している場合は、併発疾患の治療も並行して行われます。


●肝内結石症

以前に胆道再建術を受けたことがあるか、肝臓の萎縮の有無、肝内胆管がんや胆管狭窄の併発の有無などによって治療法が異なります。無症状でこれらの併発がない場合は、経過観察になることもあります。症状がある場合は、内視鏡での結石除去術が行われます。何らかの併発がある場合では、一般的に肝切除が選択されます。肝内結石症があると、胆管がんのリスクが高くなるとされています。無症状であっても、定期検診は怠らないようにしましょう。

セルフケア

予防

胆石症は、脂質異常症、肥満との関係が強い疾患です。男性は60代から、女性はとくに閉経後、次のようなことに留意して、胆石症の予防に努めましょう。


●肥満防止のために適度な運動を心がける。

●規則正しい生活を送り、睡眠、休養をしっかりとる。

●食生活を見直す(コレステロールの多い食品を控える、動物性脂肪を控えてEPAなどを多く含む青魚を積極的にとる、糖分をとりすぎない、暴飲暴食をしない、ビタミン・ミネラル類をきちんととる、食物繊維を積極的にとってコレステロールの吸収を抑えて排出を促す、コーヒーを飲みすぎないなど)。

監修

鳥居内科クリニック 院長

鳥居明

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