アルコール性膵炎

あるこーるせいすいえん

最終編集日:2022/10/31

概要

膵炎のうち、アルコールのとりすぎが原因で膵臓に炎症が起こる疾患がアルコール性膵炎です。急性と慢性があり、急性膵炎の4割、慢性膵炎では6割がアルコールが原因とされています。

飲酒と膵炎の関連性は明らかですが、大量に飲酒する人すべてがアルコール性膵炎を発症するわけではなく、体質や食生活なども関連していると考えられます。

男性にくらべて、女性が少量および短期間の飲酒で発症することがわかっています。


原因

アルコール性膵炎は、大量のアルコールを摂取することに加えて、遺伝的な体質や食生活などの要因がプラスされて発症すると考えられます。膵臓から分泌される膵液が膵臓そのものを溶かしてしまう急性膵炎の一番の原因は酒の飲みすぎであり、膵臓が固くなって機能しなくなる慢性膵炎は、長期間にわたり飲酒を続けることが原因とされています。

慢性膵炎を患う人のなかには、酒がやめられないアルコール依存症になっているケースが少なくありません。

そのほか、喫煙の習慣や肉中心の脂肪分の多い食事による影響もあるとされていますが、その関係は現在のところ明確にはなっていません。


症状

おもな症状としては腹痛です。膵臓は胃の裏側にあるため、背中に痛みを感じる場合もあります。吐き気や嘔吐、下痢に加え、黄疸が現れることもあります。

症状が進んでいくと膵臓の機能が低下するため、消化不良や食欲不振などの症状が出て、体重が減少することもあります。膵臓に炎症が起きることでインスリンの分泌が低下し、糖尿病の症状が現れる場合があります。


検査・診断

問診ではどこがどのように痛むのか、膵炎が疑われる場合には、アルコール歴についてもくわしく聞きとります。

血液検査や尿検査では、アミラーゼなどの消化酵素の値が上昇しているかどうかを確認します。腹部超音波検査、Ⅹ線検査、CT検査などの画像検査では、炎症の重症度などを確認します。

基本的には、血液検査・尿検査のデータと画像診断の結果に加え、問診で聞きとったアルコール歴をあわせて診断されます。


治療

膵炎の治療の基本は、安静、絶食、点滴です。膵臓を休ませ、症状が落ち着いたら炎症が起きている原因を突き止め、その原因を取り除く治療を行います。

アルコール性膵炎の治療でもっとも大事なのは酒を断つことです。禁酒を守ることができなければほかの治療を行ってもほとんど意味はありません。

そのうえで腹痛などの症状がある場合には、内服薬で痛みをコントロールします。糖尿病を発症している場合にはインスリン注射など糖尿病の治療も行います。アルコール性急性膵炎を発症した場合には、入院治療になることもあります。


セルフケア

療養中

まずは禁酒することです。アルコール性膵炎を発症した人では、酒がやめられないアルコール依存症になっている場合が多くみられます。アルコール依存症の専門病院などを受診し、禁酒・断酒に取り組むようにしてください。

予防

アルコール性膵炎は、酒の飲みすぎが原因です。その予防のためには、まずはお酒を飲みすぎないようにすることが重要です。一般的に適正な飲酒量は、1日に日本酒ならば1合以下、ビールならば中ビン1本以下、焼酎ならば200㏄のコップ半分以下とされています。この量を守ることに加え、1週間に2日程度は酒を飲まない日を設けることも大事です。

監修

鳥居内科クリニック 院長

鳥居明

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