胆嚢腺筋症たんのうせんきんしょう
最終編集日:2023/12/11
概要
胆嚢壁にRAS(ロキタンスキー・アショフ洞)と呼ばれる袋状の病変が発生・増殖し、胆嚢の壁が肥厚化する病気です。RASは粘膜と筋層が過剰に形成された病変です。良性の疾患ですが、慢性炎症が継続すると、発がんのリスクがあるとされています。健康診断などで見つかる頻度は、約0.5%といわれます。
原因
RASができる原因はわかっていません。
症状
症状は、まずみられません。健康診断やほかの病気の検査(腹部超音波〈エコー〉検査、MRI検査など)で胆嚢壁の肥厚化を指摘され、偶然発見されることがほとんどです。炎症を起こしていたり、胆石症の併発がある場合には、右上腹部の不快感、痛みなどが現れることがあります。
検査・診断
腹部超音波検査、MRIやCTなどの画像検査でRASを確定します。
胆嚢壁の肥厚化は、胆嚢がんでも現れるため、鑑別診断が重要になります。
治療
多くは経過観察がなされます。胆嚢がんとの鑑別が非常にむずかしいため、通常は、胆嚢がんである可能性が低いと考えられても6カ月に1度は経過観察をします。
RASが慢性炎症を起こしていると、さらに腫瘍との鑑別がむずかしくなります。また、慢性炎症は黄色肉芽腫性胆嚢炎という疾患の原因ともなります。慢性炎症がある、胆石症を合併、症状が強い、胆嚢がんの疑いが強い場合には、腹腔鏡下胆嚢摘出術を行います。
セルフケア
療養中
胆嚢腺筋症は良性の疾患ですが、必ず悪性腫瘍との鑑別診断を受けて、経過観察を怠らないことが大切です。
予防
健康診断などで胆嚢壁の肥厚化を指摘されたら、消化器内科や肝胆膵内科などでくわしい検査を受けておきましょう。
監修
鳥居内科クリニック 院長
鳥居明
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