肥満症

ひまんしょう

最終編集日:2022/4/1

概要

肥満とは、皮下や内臓に脂肪が過剰に蓄積した状態で、BMIが25以上の場合を指します。とくに病気や薬の副作用が原因ではない肥満を原発性肥満といい、通常「肥満」といえば、エネルギーの摂取が多すぎることによる原発性肥満を指します。

肥満に起因ないし関連する健康障害を合併する、あるいは将来的に健康障害を発症する可能性があるなどの条件を満たす場合を肥満症といいます。

肥満の原因には、不規則な生活や、脂肪分や糖分の多い食生活、アルコールの摂取過多、運動不足、ストレス、睡眠不足などの太りやすい生活習慣が挙げられます。肥満になると息切れや睡眠時無呼吸、ひざ痛などの健康障害が起こりやすくなり、肥満症へとつながっていきます。


原因

肥満は、エネルギーの摂取過多(食べすぎ)と、消費不足(運動不足)が原因です。最新の研究では肥満関連遺伝子の関与も指摘されていますが、家族内で肥満症の傾向がみられる場合は、遺伝というよりも、むしろ体によくない生活習慣が家庭内で受け継がれたと考えるほうが自然です。

症状

肥満症には、肥満に起因する健康障害の合併が伴いますが、健康障害には、内臓脂肪蓄積によるもの(脂肪細胞の質的異常)と、皮下脂肪蓄積によるもの(脂肪細胞の量的異常)に分かれます。

●脂肪細胞の質的異常により起こる健康障害

高血圧、脂質異常症、耐糖能障害、高尿酸血症・痛風、冠動脈疾患、脳梗塞、脂肪肝、肥満関連腎臓病、月経異常および妊娠合併症など

●脂肪細胞の量的異常により起こる健康障害

睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群、整形外科的疾患など

このほか、診断基準には含まれませんが、関連する健康障害として次のようなものがあります。

●良性

胆石症、静脈血栓症、肺塞栓症、気管支ぜんそく、偽性黒色表皮腫や摩擦疹、皮疹などの皮膚疾患

●悪性

胆道がん、大腸がん、乳がん、子宮内膜がん


検査・診断

肥満の有無は、BMI〔体重㎏÷(身長m×身長m)〕の数値で判定します。日本ではBMIが25以上の場合に肥満とされます。肥満に加えて、肥満が直接または間接的に関連する病気をひとつでも発症している、もしくは減量が必要な状態を肥満症と診断します。ただし、将来、健康障害を発生するリスクが高い内臓脂肪型肥満は、それだけで肥満症と診断されます。

内臓脂肪型肥満は、CT検査において、へその位置でからだを輪切りにしたときの内臓脂肪面積が100cm2以上の場合をいいます。簡易指標として腹囲(男性85cm以上、女性90cm以上)が使われています。

肥満症と診断されると、血液検査(ホルモンの値などを調べる)、染色体検査(遺伝性の病気がないかを調べる)、画像検査(脳腫瘍などの検査)などを行い、肥満の原因を特定して適確な治療法を決めていきます。


治療

摂取エネルギーを消費エネルギーより少なくして、それを長期間継続することで、体脂肪を減少させます。

食事・運動療法を基本とし、合併症がある場合はその治療も同時に行います。


セルフケア

予防

日本人は肥満傾向があるだけでも、糖尿病、高血圧症、脂質異常症などの健康障害が起こりやすく、反対に体重を少し減らしただけで、これらのリスクを下げられるといわれています。

肥満判定の基準となるBMI値は、欧米では30以上を肥満としていますが、日本では25以上です。これは健康障害をひき起こしやすい内臓脂肪型肥満が多いためです。

体重を減らすためにすぐに始められるのが、食生活の改善です。食生活の改善には、糖質のコントロールが重要です。糖質を消費できないほど摂取してしまうと、余った糖質は脂肪として蓄えられます。ただし、極端な糖質制限はリバウンドを招き、健康を害するおそれがあるので、専門医のアドバイスを受けて正しい食事制限を行うことをおすすめします。


監修

医療法人青泉会下北沢病院 糖尿病センター長

富田益臣

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