ビタミン過剰症

びたみんかじょうしょう

最終編集日:2022/4/1

概要

一般的な食事だけでは、ビタミンの過剰摂取はまず起こりません。しかし、特定の食品のとりすぎや、ビタミン剤の飲みすぎによって生じることがあります。

ビタミン剤でもビタミンB群やCなどの水溶性ビタミンは、尿中に速やかに排泄されるので過剰症を心配する必要はほとんどありません。一方で、脂溶性ビタミンのA、D、Kは、肝臓やからだの脂肪組織に蓄積されるため過剰症が起こります。ただし、脂溶性ビタミンのうちビタミンEは例外で、過剰症の可能性は低いとされています。


原因

食事ではなく、薬剤や栄養補助食品によって、組織に蓄積される可能性が高いビタミンA、D、Kを多量に摂取したことによると考えられます。

症状

過剰症の症状は、ビタミンの種類によって異なります。

●ビタミンA

ビタミンAの過剰症には急性と慢性があります。急性の場合は、脳脊髄液圧の上昇がみられ、頭痛や吐き気、嘔吐などが起こります。乳児に起きた場合は、大泉門の膨隆(ぼうりゅう:ふくれて盛り上がること)や、嗜眠(しみん:意識障害を起こして眠った状態にあり、強い刺激でいったん覚醒してもまたすぐ眠った状態になる)傾向を示すことがあります。慢性の場合は、皮膚や骨に変化が起こり、やがて皮膚や粘膜が剥脱(はくだつ:刺激がなくても自然に剥がれ落ちる)することがあります。また、筋肉痛や疲労感があり、四肢の骨の有痛性腫脹(ゆうつうせいしゅちょう:腫れ上がり苦痛や痛みをひきおこす)などが知られています。

●ビタミンD

腸管からのカルシウムの吸収が促進されることで、血中カルシウム濃度が上昇し、過剰の状態がつづくと、血管壁や腎臓、脳などにカルシウムが沈着します。それによって食欲不振、悪心、全身倦怠感、口の渇き、多飲多尿、嘔吐、便秘、脱水、腎障害、精神抑うつなどがみられ、昏睡を起こすこともあります。高カルシウム血症の症状を示した場合は、治療が必要です。

●ビタミンK

黄疸(おうだん)、呼吸困難、皮膚水疱などが起こります。


検査・診断

ビタミンA過剰症が疑われる場合は、問診でサプリメントの摂取状況や生活習慣を聴取し、血液検査で、ビタミンAの量を調べます。

ビタミンDの場合は、問診と血液検査による血中濃度で判断します。

ビタミンKの場合は、血液検査で凝固機能の測定を行います。


治療

ビタミンA、D、Kの過剰症と診断された場合、ほとんどが投薬やサプリメントの過剰摂取が原因であることが多いため、まずは該当するサプリメントなどの摂取を中止して、その後の数値を経過観察していきます。症状が現れている場合は、それに対する治療も行っていきます。

セルフケア

予防

ビタミンの摂取により、栄養不足が原因の不定愁訴(ふていしゅうそ)などの改善や疾病予防が期待できますが、その一方で、過剰摂取には注意が必要です。

●ビタミンAのとりすぎで予想される病気や症状

肝臓障害、頭痛、皮膚の剥脱、脱毛、筋肉痛など

●ビタミンDのとりすぎで予想される病気や症状

高カルシウム血症

●ビタミンKのとりすぎで予想される病気や症状

ビタミンKのうち、腸内細菌によってつくられるものと、緑黄色野菜に含まれているものは、過剰症が起こりづらいといわれています。気をつけたいのは、K3と呼ばれる合成ビタミンです。これを幼児に5㎎/日以上与えると、溶血性貧血、高ビリルビン血症、核黄疸を生じます。


監修

医療法人青泉会下北沢病院 糖尿病センター長

富田益臣

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