腟がんちつがん
最終編集日:2025/12/18
概要
子宮頸部と外陰部をつなぐ腟にできるがんを腟がんといいます。扁平上皮がんと腺がんの2種類の組織型に分類され、8~9割は扁平上皮がんです。60歳以上の女性に多くみられます。
女性のがんのなかでも非常にめずらしいもので、女性生殖器に発生するがんの0.3%を占めるにすぎません。がんの進行は比較的遅く、一般的には腟周辺にとどまっていますが、進行例では肝臓、肺、骨などに転移します。
原因
腟がんの一部は 子宮頸がんと同じくHPV(ヒトパピローマウイルス) 感染と関連しますが、特に高齢者では HPV 非関連のものも多く、原因は多様です
症状
閉経後や月経と関係なく起こる不正性器出血、おりもの、下腹部痛、性交中の痛み、排尿痛、腟内のしこりなどがあります。

腟がん
検査・診断
腟のほか、子宮頸部や子宮体部など骨盤内の臓器を調べます。
細胞診の結果でがんの疑いがあった場合は、コルポスコープ診、組織診、内診を行います。がんの広がりを確認する検査として、超音波検査、CT検査、MRI検査なども行われます。
治療
治療は病期に応じて放射線治療が中心となることが多く、手術や化学療法が併用される場合もあります。
がんの病期、年齢、全身の状態や、患者さんの病状などを総合的に検討し、治療法が選択されます。
セルフケア
病後
治療後は経過観察のため、定期的な通院が必要です。転移や再発の恐れもあるため、異変を感じたらすぐに医療機関を受診しましょう。
監修
東北大学病院
森 亘平