アレルギー性鼻炎
あれるぎーせいびえん

最終編集日:2022/1/11

概要

アレルギー性鼻炎は、ハウスダストや花粉などアレルゲンといわれる原因物質が鼻の粘膜を刺激して起こる病気です。おもな症状には「くしゃみ、鼻水、鼻づまり」があります。これをアレルギー性鼻炎の三大症状と呼ぶこともあります。


アレルギー性鼻炎は、季節とは関係性なくハウスダストやダニ、ペットなどが原因となる「通年性アレルギー性鼻炎」と、花粉などが要因となる「季節性アレルギー性鼻炎」の2つに大別されます。


原因

アレルゲンといわれる原因物質が鼻の粘膜を刺激することで症状が現れます。

アレルゲンが鼻粘膜に付着すると、体内のリンパ球が異物と認識して、次にアレルゲンが入ってきたときに攻撃できるように抗体をつくります。再びアレルゲンが体内に侵入すると、アレルギー誘発物質が放出されくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が現れるのです。


アレルゲンには、ハウスダスト、ダニ、ペットの毛や排出物、カビ、花粉などがあります。花粉症は春に多いスギ花粉が知られていますが、夏前に多いイネ科のカモガヤ、秋のブタクサなどいろいろな種類があり、花粉の飛散時期によって発症時期も異なります。


症状

おもな症状は、発作性のくしゃみ、透明のさらっとした鼻水、鼻づまりなどです。鼻がつまることにより口呼吸が増えるため、のどの渇きや痛みを生じることも少なくありません。

ほかにも、目のかゆみ、皮膚の炎症が現れることがあります。

また、粘膜が炎症を起こすことで鼻茸(はなたけ)という良性のポリープができることもあります。初期症状はほとんどありませんが、大きくなると鼻づまりやにおいを感じにくくなることがあります。


検査・診断

診察では問診で症状を確認して、鼻のなかの粘膜などを観察します。

アレルゲンを特定するために、血液検査(特異的IgE抗体検査)やアレルゲンエキスを使った皮膚検査(皮膚プリックテスト)などを行います。


治療

まず、アレルギー性鼻炎の原因であるアレルゲンの除去や軽減が必要です。


通年性アレルギー性鼻炎ではハウスダスト、ダニ、ペットの毛や排出物、カビなどを除去するために、頻繁に掃除をする、付着しやすいカーペットやカーテンなど布製品をできるだけ減らすなどの対策が必要です。


花粉などが原因の季節性アレルギー性鼻炎の場合は、外出時にはマスクや眼鏡をしたり、付着しにくい服装をしたりするほかに、窓を開け放たない、洗濯物を外干ししないなど、室内に花粉を入れない工夫が必要です。


薬による治療では、症状を抑えるため抗ヒスタミン薬などの内服薬、ステロイドの鼻噴霧用薬が使われます。症状に応じて、複数の薬を組み合わせて処方されることもあります。


根本的な治療には、「アレルゲン免疫療法」があります。これは原因となっている抗原を段階的に投与することで免疫反応を変えていく方法で、1日1回治療薬を舌の下に置き、その後飲み込む「舌下免疫療法」が注目されています。重篤な副作用はありませんが、3年から5年ほどの治療期間が必要です。

また、レーザー手術といった粘膜を焼く手術療法が行われることもあります。


セルフケア

予防

アレルゲンを体内に取り込まないようにすることや、室内に入れないようにすることが予防につながります。

花粉が原因の季節性アレルギー性鼻炎の場合は、花粉の飛散時期は外出時にマスクや眼鏡を着用し、花粉が付着しにくい素材の服を着るなどの工夫が必要です。帰宅後はすぐにうがい、手洗い、洗顔をすると効果的です。


ハウスダストやダニなどが原因の通年性アレルギー性鼻炎の場合は、室内の掃除を頻繁に行い、ダニやほこりが発生しやすい織物のソファーやじゅうたん、たたみの使用をできるだけ避けるといいでしょう。室内にペットがいる場合もこまめな掃除が大切です


監修

耳鼻咽喉科日本橋大河原クリニック院長

大河原大次

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