Question

鼻茸の手術とは?

嗅覚に違和感を覚え、耳鼻科を受診したところ、鼻茸(はなたけ:鼻のポリープ)があり、投薬治療で改善しない場合は切除が必要といわれました。どんな手術なのでしょうか?

男性/40代

2023/02/17

Answer

嗅覚障害の原因には、炎症による腫れ、鼻茸によって空気の通り道が塞がれている、かぜの後や慢性副鼻腔炎による炎症、外傷などが挙げられ、その根本原因となる病気を治すことが治療の原則となります。

鼻茸の場合は、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎と密接に関係しているため、たとえポリープを切除しても、背景にある疾患が完治しない限り再発する可能性があります。治療法としては、薬剤と通院による局所療法、ネブライザーと呼ばれる吸入療法などがあるほか、摘出術が選択されることもあります。


手術では鼻の入口からポリープを取り除いて副鼻腔を開放し、空気の通り道を作ります。近年は鼻腔内視鏡装置とポリープを削り取る機器が多く導入され、より早く、確実にポリープを除去できるようになりました。軽症なら日帰り手術を行う病院もあります。個々の状態で異なるものの、手術時間の目安は片側10〜15分程度です。


一方、ポリープのほかに慢性副鼻腔炎などの疾患もみられる場合は「内視鏡下副鼻腔手術」が行われます。手術の際は、全身麻酔または局所麻酔を用います。手術はすべて鼻の穴の中から行われ、細いファイバースコープを挿入し、モニターを見ながら操作します。1回で左右両方の処置ができるため、以前の切開する手術に比べて患者さんの負担も少なく安全といわれています。入院期間は約1週間です。

内視鏡下副鼻腔手術は技術が確立した安全な処置ですが、ごくまれに合併症が起きることもあります。具体的には、眼窩内損傷による視力低下、眼球運動障害による複視の出現、頭蓋底損傷による髄膜炎、動脈の損傷による大量出血などが挙げられます。


手術となった場合は、所要時間、入院日数、医療機関などを医師に確認するとよいでしょう。また、どのくらい症状の改善を期待できるか、どんなリスクが想定されるかを確認し、納得したうえで治療方法を選択することをおすすめします。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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