急性副鼻腔炎

きゅうせいふくびくうえん

最終編集日:2023/9/28

概要

鼻の奥にある「副鼻腔」が細菌などの感染により、炎症を起こす病気です。以前は、うみのように黄色い鼻汁がつづくことから「蓄膿症」と呼ばれていました。副鼻腔は左右に4つずつあり、急性副鼻腔炎を起こしやすいのは、上顎洞(じょうがくどう)という副鼻腔です。上顎洞は左右の鼻のそれぞれ外側、ほっぺたの内側に広がっています。しかし多くは、複数の副鼻腔に炎症を起こすとされています。急性副鼻腔炎は年齢を問わず発症しますが、副鼻腔の発達が未熟な小児(5歳くらいまで)には、あまりみられません。

原因

多くは、かぜやインフルエンザなどのウイルス性上気道炎の罹患につづいて、細菌感染を起こし、発症します。また、花粉症などのアレルギーが原因の鼻腔内の炎症が副鼻腔まで広がって、ひきおこされることもあります。

以前は、炎症を起こすのは副鼻腔の粘膜に問題があるためとされていましたが、現在は、副鼻腔内に鼻汁がたまるなどして換気が悪くなることがおもな原因と考えられています。

症状

鼻閉(鼻づまり)、膿性鼻汁(粘度の高い黄色や緑色っぽい鼻汁)、頰や額の痛み、発熱などが現れます。鼻汁が鼻の奥からのどに流れ込む「後鼻漏(こうびろう)」もみられます。

症状は4週間ほどつづきますが、治癒することがほとんどです。

検査・診断

問診ではかぜやインフルエンザが治った直後かどうか、アレルギーがあるかなどを確認します。鼻鏡という鼻の穴を広げてなかをみる器具や、先端にカメラがついた内視鏡(ファイバースコープ)を用いて鼻腔の様子を調べます。さらにくわしく副鼻腔内の状態をみるために、CT(副鼻腔CT)やX線検査を行います。

好酸球性副鼻腔炎、上顎洞がん、歯性上顎洞炎などとの鑑別が必要です。また、鼻ポリープ(鼻茸〈はなたけ〉)の併発の有無も確認します。

治療

まず局所処置を行います。鼻内の洗浄を行い、鼻汁をとり、副鼻腔内の換気をよくします。その後、ネブライザーという鼻の吸入器を用いて、抗炎症薬を噴霧します。鼻汁の粘度が低く、漿液性鼻汁(水っぽい鼻水)であれば、局所処置だけで改善することもあります。

膿性鼻汁がみられる場合は、抗菌薬、消炎薬、粘膜改善薬などを内服します。通常、7日間飲みつづけ、効果がなければ薬を変更します。また、アレルギー性鼻炎がある場合は抗アレルギー薬を、発熱や痛みを伴う場合には鎮痛薬も併用します。

これらの治療を3カ月以上行っても効果がみられない場合は、内視鏡下副鼻腔手術(ESS)が適応されることがあります。ESSは内視鏡を用いて、鼻腔と副鼻腔のつなぎ目を広くして副鼻腔内の換気を改善する手術です。

セルフケア

療養中

急性副鼻腔炎は重症化すると、鼻性眼窩内合併症としての視力障害や、頭蓋内合併症としての意識障害・麻痺などをひきおこすことがあります。また、急性副鼻腔炎が1カ月以上治らないのに放置すると、慢性副鼻腔炎に移行することがあり、子どもでは急性化膿性中耳炎のリスクが高くなるとされています。鼻づまりや鼻汁の症状がつづくようなら、耳鼻咽喉科を受診しておきましょう。

予防

予防には、かぜやインフルエンザにかからないことが一番です。アレルギーのある人は、アレルギーの起こる時期に適切なアレルギーの治療を受けて、炎症を重症化させない、長引かせないように気をつけましょう。

監修

耳鼻咽喉科日本橋大河原クリニック 院長

大河原大次

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