便の異常
最終編集日:2024/1/19
概要
子どもの便の観察のポイントは「便の色」「下痢」「便秘」です。とくに乳児の場合は重要です。
●便の色
便の色は、一般に茶色から黄土色です。それ以外の色は何かしらの異常があると考えます。
・黒色
胃や腸など消化器のどこかの部位での出血によると考えられます。
・赤色(血便)
黒色同様、消化器のどこかからの出血が考えられますが、黒色は肛門から離れた場所からの出血で、赤色は肛門近くの出血です。赤色の場合は裂肛や直腸ポリープ、肛門脱などが疑われます。
・白色
白っぽい便は肝臓や胆嚢に病気があるサインで、白目や皮膚に黄疸があれば乳児肝炎、先天性胆道閉鎖症、総胆管拡張症などが疑われます。またロタウイルス胃腸炎でも白い便が出ることがあります。
●下痢
乳児の便は成人とくらべると健康なときでもゆるめです。個人差もありますので日常からのチェックが必要です。原因として多いのが感染性の胃腸炎です。
下痢とともに血便がみられる場合は、細菌性腸炎や潰瘍性大腸炎などが考えられます。細菌性腸炎のなかでもO157による出血性大腸炎は、水のような下痢と激しい腹痛、血便がつづき、進行すると重篤な症状をひきおこすので注意が必要です。
●便秘
便秘は母乳不足や偏食、少食など食生活に問題があることが多いようです。便秘になると食欲不振、膨満感、嘔吐、腹痛、不機嫌になるなどの症状がみられます。
ほかにもヒルシュスプルング病、肛門狭窄、心因性の便秘症、甲状腺機能低下症などの病気が便秘をひきおこすこともあります。
受診の目安
救急車を呼ぶ・ただちに医療機関を受診
・下痢症状があり、水分や食事がとれない
・下痢とともに発熱や嘔吐などの全身症状が強い
医療機関を受診
・便の色がいつもと違う
・便に血がついている
・体重が増えない
・何となく具合が悪そうな様子がつづいている
様子をみる
・かぜ気味で便がやわらかくなったが治った
・食べすぎて便がやわらかくなったが治った
・下痢をしたが元気があり機嫌もいい
セルフケア
子どもの健康状態を把握するためにも、毎日、便の状態を観察しておきましょう。
考えられる病気
監修
川崎医科大学 小児科学 教授
中野貴司
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