Question

出血を伴わない赤い便。様子見でよい?

先日、赤い便が出ました。便の半分以上が赤くなっていましたが、特に痛みもなく、肛門を確認しても出血した形跡はありません。これは血便でしょうか? このまま様子をみていてもよいでしょうか?

男性/50代

2024/03/05

Answer

赤い便が出たが、出血した形跡や痛みもなく、このまま様子をみてもよいかという相談について回答します。

赤い便という表現からは、やはり消化管のいずれかで起きている出血と考えられます。黒色便やタール便であれば、十二指腸よりも上部からの出血の可能性があります。鮮血であれば下部からの出血と判断できます。便に血がついている程度であれば、肛門部からの出血が多いです。便全体に血が混じっている場合は大腸からの出血の可能性がより強いと考えます。

一般的に起こる出血の状態と便の状態から考えられることや、およその受診目安は以下の通りです。


●真っ赤な血液が出る、便の表面に血液が付着している……これらの症状は肛門付近からの出血ですが、出血の様子で病気がある程度、推測できます。排便の途中からポタポタと出血したり、シャーッとふき出るようなときは、量が多いと便器が真っ赤になるほどですが、このような出血の多くは、内痔核(いぼ痔)によるものです。便器が真っ赤になるようであれば、出血の量は多いので、早めの受診が必要です。

●硬い便の排便後に少量の出血があり、その後、肛門痛が20~30分続く……このような場合は、裂肛(切れ痔)の可能性があります。血がポタポタ出るときは傷が深いことも考えられるので、念のため、大腸肛門科や外科を受診するほうがよいでしょう。


経過観察とセルフケアで様子をみてよいのは、新鮮血(真っ赤な血)で出血量が少ない、出血の期間が短い、強い痛みがない、発熱や貧血など全身症状を伴わないなどの場合になります。ただし、出血は他の症状よりも病的な意味合いが強いので、少しでもおかしいと感じたり、症状の変化や時間の経過とともに強くなる場合は、すぐに受診したほうがよいでしょう。


出血以外で赤い便が出る場合は、赤ちゃんでは、赤い色素の食材を摂取したり、抗菌薬の服用によって便が赤くなることがあります。抗菌薬は、粉ミルクや経腸栄養剤など、鉄添加製品との併用で便が赤くなるといわれます。大人でも、赤い色素の食材を多量に摂取した場合に起こることがあるようですが、便全体が赤く、食材の色素に影響された色調になります。


ご相談者の症状は、便の半分以上が赤いという部分的な混入状態なので、大腸からの出血の可能性がまず疑われます。腹痛や吐き気、下痢、便秘などの不快な症状が伴っていなければ、少なくとも2~3日以内には消化器内科、大腸肛門科を受診するとよいでしょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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血便
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