手足が動きにくい
最終編集日:2024/1/19
概要
手足の動きが悪い、または動かない場合には次のような病気が考えられます。
●手足の動きが悪い
手足やからだの動きが悪くなる病気には、からだが硬くなって、動きが悪くなったり、転倒しやすくなったり、振戦(ふるえ)などの不随意運動を伴ったりするパーキンソン病があります。パーキンソン病の症状に加え、手が思うように使えない、動作がぎこちないなど、大脳の症状が現れる大脳皮質基底核変性症や、類似するさまざまな病気があります。これらは認知機能障害を伴い、大部分が指定難病にもなっています。
●手足の麻痺(手足が動かなくなる)
半身の上下肢(手足)が動かなくなることを片麻痺といい、運動神経が障害されることで起こります。脳の病気の場合では反対側の半身麻痺が生じます。手足の麻痺のほかに、口がもつれる、言葉が出ないなどを伴うことも。
麻痺の原因となる病気には、脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫などがあります。
脊髄が障害されると両下肢が麻痺する「対麻痺」を生じ、頸髄が障害されると「両手麻痺」や四肢のすべてが麻痺する「四肢麻痺」になることもあります。
原因となる病気には、変形性頸椎症、椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などがあります。
それ以外にも、運動に関係する神経細胞の変性が生じて筋力低下をきたす筋萎縮性側索硬化症や、骨格筋の筋肉が徐々に弱くなっていく筋ジストロフィー、さらに神経と筋肉の境に障害が生じて筋力が低下する筋無力症などがあります。
また、感染症の後に全身の末梢神経に障害が起こり、手足の麻痺が生じるギラン・バレー症候群もあります。
受診の目安
救急車を呼ぶ・ただちに医療機関を受診
・手足の麻痺症状と頭痛や意識障害などが突然起こった
・ろれつが回らなくなった
医療機関を受診
・初めは麻痺だけだったが、痛みやしびれも出てきた
・手は握れるが、うでが上がらなくなった
・片脚から始まった麻痺が両足になった
様子をみる
・手足の動きにくさを感じるが、とくに支障はない
セルフケア
手足が動きにくい、麻痺があるなどの症状がある場合には、できるだけ早く医療機関で治療を始めることが大切です。
考えられる病気
監修
昭和大学 医学部脳神経外科 名誉教授
藤本司
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