「パーキンソン病」と「進行性核上性麻痺」の違いとは?

2025/02/25
指定難病となっている、パーキンソン病と進行性核上性麻痺の違いを教えてください。
この質問への回答
昭和大学 医学部脳神経外科 名誉教授 藤本 司
パーキンソン病が脳の黒質という部分の細胞が変性するのに対して、進行性核上性麻痺は大脳基底核や脳幹など、広範囲の脳細胞が変性します。2019年の患者数は、パーキンソン病が約13万人、進行性核上性麻痺は約1.2万人で、進行性核上性麻痺はまれな病気といえるでしょう。
どちらも歩行障害や無動、筋肉が硬直する筋強剛が現れますが、進行性核上性麻痺に特徴的な症状として、転びやすい(発症初期から現れ、後方へ転倒しやすい)、眼球運動の異常(最初は上下方向を見ることがしづらくなる)、嚥下障害、言語障害、認知機能障害が挙げられます。また、パーキンソン病の筋強剛が四肢(手足)にみられるのに対して、進行性核上性麻痺では首の周辺や体幹に現れます。パーキンソン病にくらべて症状の進行が速いのも特徴です。
パーキンソン病には抗パーキンソン病薬が有効ですが、進行性核上性麻痺ではあまり効果が期待できないケースも多いようです。


みんなの
歩数ゲームやデイリーアドバイス、無料健康相談※が利用可能

※ご所属先が本サービスを契約いただいている場合のみご利用いただけます。