パーキンソン病

ぱーきんそんびょう

最終編集日:2023/6/6

概要

パーキンソン病は、国が指定する難病のなかでもっとも多い疾患で、10万人あたり100~120人の患者さんがいます。からだの動きなどに障害が現れるのが特徴です。50代以上で発症しやすく、高齢になると増加する傾向があります。ただ、40歳以下でも発症することがあり、これを「若年性パーキンソン病」と呼ぶこともあります。

イギリスの医師、パーキンソンが最初に報告した病気のため、この名がつけられました。この病気は何年もかけてゆっくりと進行します。早めに発見して適切な治療を受けることで、進行を遅らせ、よい状態を長く保つことが可能になります。

原因

大脳の下の、中脳の黒質にあるドパミン神経細胞が減少することで発症します。なぜ、ドパミン神経細胞が減少するのかはまだ解明されていませんが、この神経細胞の減少でパーキンソン病独特の症状が起こります。

ほとんどは遺伝性ではありませんが、若年性パーキンソン病の患者さんの一部では、家族に同じ病気を発症しているケースがみられ、原因となる遺伝子異常が確認されています。

症状

おもな症状は、手足が震える、動作が緩慢で小さい、筋固縮(関節や筋肉が固まって動かしにくい)がある、バランスが取れず転びやすいなどです。また、まばたきが減ることで顔の表情が乏しくなったり、話し方が小声で単調になったりします。こうした運動症状のほかにも、便秘、頻尿、疲れやすさ、立ちくらみ、うつ傾向などが起こることがあります。

検査・診断

問診で手足の震えなどの症状を確認し、視診・触診で筋肉の状態、関節の動きなどを調べます。脳の状態を確認するためにMRI検査、ドパミントランスポーターを画像化するダットスキャン、脳の働きを調べるSPECT(脳血流シンチグラフィ)検査などを行います。

治療

パーキンソン病では、おもに薬による治療が行われます。ドパミン神経細胞の減少によって発症するため、ドパミンを薬によって補充します。ドパミン補充薬には、レボドパとドパミンアゴニストがあります。そのほかにも、いろいろな薬が使われます。

薬による治療で改善が認められない場合は、手術が検討されることもあります。手術療法では、脳内のドパミンに関係する場所に電極を埋め込み、電気刺激を与えることで運動機能の改善を目指します。

対症療法ですが、リハビリテーションも有効な治療法です。とくに有酸素運動やストレッチなどを行うことで症状の進行を遅らせることができるため、通常の生活を少しでも長くつづけることが可能になります。また、顔の表情や口の動きなどの低下に関しても、リハビリテーションで進行を遅らせることができます。

セルフケア

療養中

治療薬の開発が進み、患者さんの平均寿命は健常者とほとんど変わらなくなっていると考えられています。適切な薬を医師の指示の下で適切に服用すること、骨折や感染症などに注意することが重要です。あわせて適切な運動とリハビリテーション、適度な睡眠、バランスのよい食事などを継続していきましょう。

予防

パーキンソン病に予防法はなく、からだに異変を感じたら、少しでも早く診察を受け、早期に治療を開始することが大切です。

監修

昭和大学 医学部脳神経外科 名誉教授

藤本司

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