Question

受診を拒む脊髄小脳変性症の親

61歳の親が脊髄小脳変性症です。受診していませんが、歩行のバランスが取りにくく、年々歩くのが困難になってきています。受診をすすめても、診断がついたら仕事をやめないといけないからと応じてくれません。そこで、以下について教えてください。①家族だけで受診してアドバイスをもらえるか、②本人が車の運転を続けてもよいか、③症状を遅らせる運動などの改善法はあるか。

男性/30代

2024/01/20

Answer

親御さんは、歩行中のバランスが取りにくいなどの症状があるにもかかわらず、受診をすすめても受け入れてもらえないとのことで、看護するご相談者もおつらいことと思います。脊髄小脳変性症は、小脳の神経細胞が変性する病気です。歩行時のふらつき、ろれつが回らない、手が震えて物をつかみづらいなどの症状が現れます。患者さんの約3割が遺伝性の脊髄小脳変性症とされています。


ご本人は受診されていないようですが、以前に病院で「脊髄小脳変性症」と診断されたのでしょうか。

似たような症状が出る疾患として、パーキンソン病、脳血管障害(脳梗塞脳出血)、加齢による運動機能の低下などもあります。本来は、それらとの鑑別診断も受けていただきたいと思います。

しかし、受診はご本人の気持ちがないとなかなか難しく、また診察を受けないと治療に結びつけることもできないのですが、以前診断を受けられた病院で「家族受診」という形で相談することは可能と思われます。ただ、以前の受診時期によっては、すでにデータが保存されていないなどの理由で、具体的なアドバイスをもらえない場合もあります。保険適用の有無も含め、まずは医療機関に問い合わせてみてください。


自動車の運転については、ご相談内容から考えると、安全面で少し心配に感じました。通常は診察した医師の判断によるものなので、はっきりとお答えすることは難しいのですが、一度、ご本人とご家族で話し合ってみてください。進行を遅らせる方法として、運動訓練があるという情報がありました。しかし、ご本人にどのような運動が適切なのかまではご案内することは難しいため、やはりこの点についても、医師に相談することをおすすめします。

なお、脊髄小脳変性症は厚生労働省の難病に指定されています。厚生労働省のサイトから医療機関や医療費助成制度などの情報を得ることができるでしょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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脊髄小脳変性症
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